俳句

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夏目漱石 

菜の花の中へ大きな入り日かな 
たたかれて昼の蚊をはく木魚かな 
別るるや夢一筋の天の川 
吾が影の吹かれて長き枯れ野かな 
こがらしや海に夕日を吹き落とす 
ちらちらと陽炎立ちぬ猫の塚 
菫程な小さき人に生れたし 
鐘つけば銀杏散るなり建長寺  (海南新聞)
霧黄なる市に動くや影法師 
菜の花の遙かに黄なり筑後川 
憂いあり新酒の酔に托すべく 
木瓜咲くや漱石拙を守るべく 
はじめての鮒屋泊りをしぐれけり 
時鳥厠半ばに出かねたり 
灯を消せば涼しき星や窓に入る 
眼を病んで灯ともさぬ五月雨 
秋暑し癒えなんとして胃の病 
有る程の菊抛げ入れよ棺の中 
一里行けば一里吹くなり稲の風 
鳴き立ててつくつく法師死ぬる日ぞ 
人に死し鶴に生れて冴え返る 
秋立つや一巻の書の読み残し 
限りなき春の風なり梅の上 
芋の葉をごそつかせ去る鹿ならむ 
徂徠其角並んで住めり梅の花 
何となう死にに来た世の惜しまるゝ 
芭蕉忌や茶の花折つて奉る 
東風や吹く待つとし聞かば今帰り来ん 
巡礼と野辺につれ立つ日永哉 
秋の江に打ち込む杭の響かな 
一人居や思ふ事なき三ヶ日 
宇佐に行くや佳き日を選む初暦 
海棠の露をふるふや物狂 

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