向井去来 ●
君が手もまじるなるべし花すすき 季をととひはあの山越つ花盛り 季涼しさよ白雨ながら入日影 季こけざまにほうと抱ゆる西瓜かな 季秋風や白木の弓に弦張らん 季岩端やここにも独り月の客 季柿主や梢はちかきあらし山 季 (猿蓑)●なき名きく春や三年の生きわかれ 季 (丈艸誄)手のうへにかなしく消る螢かな 季凩の地にも落さぬしぐれ哉 季涼しさの野山にみつる念佛哉 季振舞や下座に直る去年の雛 季賽銭も用意顔なり花の森 季猪のねに行くかたや明の月 季病中のあまりすするや冬ごもり 季手をはなつ中に落けり朧月 季霊棚の奥なつかしや親の顔 季夕すずみ疝気おこして帰りけり 季いそがしや沖のしぐれの眞帆片帆 季兄弟の顔見あはすやほととぎす 季青みたる松より花の咲きこぼれ 季梅にすずめの枝の百なり 季弓張の角さし出す月の雲 季なくなくも小さき草鞋もとめかね 季中連子中きりあくる月影に 季駒牽の木曾やいづらん三日の月 季電のかきまぜて行く闇夜かな 季應々といへどたゝくや雪のかど 季幾年の白髪も神の光りかな 季元旦や土つかふたる顔もせず 季しぐるるや紅の小袖を吹きかへし 季一畦はしばし鳴きやむ蛙哉 季馬道や庵をはなれて霜の屋根 季年の夜の鰤や鰯や三の膳 季岩端や爰にもひとり月の客 季みやこにも住みまじりけり相撲取り 季のぼり帆の淡路はなれぬ汐干かな 季
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