季語|春夕焼(はるゆうやけ)

三春の季語 春夕焼

春茜(はるあかね)

春夕焼の俳句と季語単に「夕焼」といった場合は夏。夕焼の翌日は晴れるという。

夕焼の言葉が成立したのは比較的新しく、江戸時代後半に「夕焼」を詠んだ句が散見される。季語となったのは明治以降である。なお、中世には「ほてり」と呼んでいたらしい。中国では夕焼に「霞」の字を当てる。「やけ」も夕焼けを指す言葉として使われているが、朝焼けにも使用されていることから、「やけ」とは「明け」あるいは「朱」の転訛かもしれない。

【春夕焼の俳句】

春夕焼へ遠き鶴嘴そろひ落つ  加藤楸邨

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季語|冬夕焼(ふゆゆうやけ)

三冬の季語 冬夕焼

寒夕焼(かんゆうやけ)冬茜(ふゆあかね)・寒茜(かんあかね)

冬夕焼の俳句と季語単に「夕焼」といった場合は夏。夕焼の翌日は晴れるという。

夕焼の言葉が成立したのは比較的新しく、江戸時代後半に「夕焼」を詠んだ句が散見される。季語となったのは明治以降である。なお、中世には「ほてり」と呼んでいたらしい。中国では夕焼に「霞」の字を当てる。「やけ」も夕焼けを指す言葉として使われているが、朝焼けにも使用されていることから、「やけ」とは「明け」あるいは「朱」の転訛かもしれない。

【冬夕焼の俳句】

路地染めて何をもたらす寒夕焼  菖蒲あや

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季語|朝焼(あさやけ)

晩夏の季語 朝焼

朝焼雲(あさやけぐも)

朝焼の俳句と季語(夢二よあけ国立国会図書館オンライン)朝焼けが出ると雨が降るという。

同じ夏の季語である夕焼と同時期に成立したと考えられるが、「夕焼」を詠んだ句が散見されるのは江戸時代後期になるから、比較的新しい語か。万葉集に安貴王の歌として

秋立ちて幾日もあらねばこの寝ぬる朝明の風は手本寒しも

が載るが、朝焼け自体はこの「朝明(あさけ)」が転訛したものなのかもしれない。

【朝焼の俳句】

鳩とゐて朝焼雀小さしや  石田波郷

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季語|夕焼(ゆうやけ)

晩夏の季語 夕焼

夕焼雲(ゆうやけぐも)・ゆやけ

季語季語として春夕焼、秋夕焼、冬夕焼もあるが、単に「夕焼」といった場合は夏の季語となる。夕焼の翌日は晴れるという。

夕焼の言葉が成立したのは比較的新しく、江戸時代後半に「夕焼」を詠んだ句が散見される。季語となったのは明治以降である。なお、中世には「ほてり」と呼んでいたらしい。中国では夕焼に「霞」の字を当てる。「やけ」も夕焼けを指す言葉として使われているが、朝焼けにも使用されていることから、「やけ」とは「明け」あるいは「朱」の転訛かもしれない。

【夕焼の俳句】

愛欲やしかし夕焼を眼に入れて  秋元不死男

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季語|春の水(はるのみず)

三春の季語 春の水

春水(しゅんすい)水温む(みずぬるむ)春の川(はるのかわ)・水の春(みずのはる)

春の水の俳句と季語川や池や水田の水。雪どけや春雨で水かさは増し、次第に温み、命を育む。海水に対して「春の水」を用いることはない。

「水」は、「満つ」からきているという説がある。古事記における水の神・弥都波能売(ミツハノメ)は、火神・迦具土(カグツチ)を生んで陰部を火傷した伊耶那美(イザナミ)の、尿が化成したとある。

【春の水の俳句】

春の水山なき国を流れけり  与謝蕪村

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季語|秋彼岸(あきひがん)

仲秋の季語 秋彼岸

後の彼岸(のちのひがん)秋分(しゅうぶん)

秋彼岸の俳句と季語雑節の一つで、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた各7日間を彼岸と言い、秋分を中日とするものを秋彼岸、あるいは後の彼岸と呼ぶ。単に「彼岸」ならば、春の彼岸を指す。最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」と言う。お彼岸にはお墓参りをし、おはぎを先祖に供え感謝し、極楽往生を願う。
真西に太陽が沈む春分・秋分に、遙か西方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まり。大同元年(806年)、日本で初めて彼岸会が行われた。なお彼岸の行事は、インドや中国の仏教にはなく、日本独自のものだとされる。

語源は、サンスクリット語の Pāramitā つまり「波羅蜜」にあるとされ、これを意訳した「至彼岸」が元となっている。迷いや煩悩を川にたとえ、その向こうの涅槃を目指すもの。

【秋彼岸の俳句】

風もなき秋の彼岸の綿帽子  上島鬼貫

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季語|秋の空(あきのそら)

三秋の季語 秋の空

秋空(あきぞら)天高し(てんたかし)秋天(しゅうてん)・秋晴(あきばれ)・秋澄む(あきすむ)澄む(すむ)月白(つきしろ)秋高し(あきたかし)

秋の空の俳句と季語「女心と秋の空」あるいは「男心と秋の空」と言うように、意外にも秋の空は変わりやすく、雨や曇天になることが多い。そして、梅雨時よりも日照時間は短いというデータもある。しかし、晴れると爽やかな空が広がり、その澄みきった空を秋晴という。

空は、見上げる時に身体を反らすから「そら」とよばれるようになったとの説がある。なお、山幸彦で知られる天孫・日子穂穂出見を虚空津日高(そらつひこ)と呼ぶが、古くは、天と地上の間にある場所を虚空(そら)と呼んでいたと思われる。

【秋の空の俳句】

によつぽりと秋の空なる不尽の山  上島鬼貫
去るものは去りまた充ちて秋の空  飯田龍太

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季語|冬の月(ふゆのつき)

三冬の季語 冬の月

冬満月(ふゆまんげつ)寒月(かんげつ)・月冴ゆ

冬の月の俳句と季語(英一蝶)単に「月」といえば秋。

月の語源は、太陽の次に明るいことから次(つく)が変化したものだと言われている。なお、古事記で月の神は三貴神に数え上げられ、イザナギの左目から生まれた太陽神アマテラスの次に、右目からツクヨミとして生まれている。

【冬の月の俳句】

木の影や我影動く冬の月  正岡子規
寒月や我ひとり行橋の音  炭太祇

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季語|秋の声(あきのこえ)

三秋の季語 秋の声

秋声(しゅうせい)

秋の声の俳句と季語音に感じられる秋の気配。

空の色が「あきらか」であることから「秋」と呼ばれるようになったと言われる。盛りの季節に飽きるころに聞く、淋しさの入り混じった音色。

【秋の声の俳句】

秋聲や石ころ二つ寄るところ  村上鬼城

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季語|神無月(かんなづき)

初冬の季語 神無月

神有月(かみありづき)神在月(かみありづき)神の留守(かみのるす)神の旅(かみのたび)・神迎(かみむかえ)・神還(かみかえる)

神無月の俳句と季語旧暦十月は、全国の神様が大国主が祀られる出雲大社に集結するとされ、神様が留守になることから神無月という。反対に出雲では神有月、神在月という。出雲大社では、縁結びの相談が行われているという。平安時代には既に定着していた説であるが、本来は「神の月」という意味の「神な月」から来ていると言われている。俳諧歳時記栞草には、荷田東麻呂翁の「雷無月」が語源という説も載せる。

【神無月の俳句】

風寒し破れ障子の神無月  山崎宗鑑

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