初秋の季語 芙蓉
アオイ科フヨウ属の落葉低木。中国では蓮のことを芙蓉と呼んでおり、日本では、区別するために「木芙蓉(もくふよう)」と呼ぶ。蓮のことは「水芙蓉(すいふよう)」とも呼ぶ。ただし、俳諧歳時記栞草では、「木芙蓉」と書いて「ふよう」と読ませ、蓮のことを「草芙蓉」と呼んでいる。
槿(むくげ)と似ているが、槿は雌しべの先が真っすぐなのに対し、芙蓉は上に向いて曲がる。ハイビスカスも近縁種である。
中国原産で、沖縄、九州・四国の海岸近くに自生する。7月から10月頃に花をつける。朝咲いて夕方には萎む1日花で、次々に花を咲かせる。「酔芙蓉」は、朝は白く、時間が経つにつれて赤みがかってくるため、酔った姿に擬して名がついた。
富士山には、「芙蓉峰」あるいは「芙蓉」の名がついている。
【芙蓉の俳句】
日を帯びて芙蓉かたぶく恨みかな 与謝蕪村
たちいでて芙蓉のしぼむ日に逢へり 加舎白雄

俳句で「踊」と言えば、盆踊りのことで秋の季語となる。盆に帰ってきた先祖の霊を慰めるための行事である。
ウリ科の西瓜の原産地は、アフリカの砂漠地帯。日本への伝来は室町時代と考えられているが、鳥獣戯画に西瓜と見られる貢物が描かれており、平安時代に伝来していた可能性もある。
カメムシ目セミ科に属する
立秋を過ぎても残る暑さを言い秋の季語となる。立秋は8月7日前後なので、それ以降の暑さは残暑となる。概ね8月いっぱいの暑さを残暑と言う。
二十四節気の第13。夏至と秋分の中間で、太陽暦では8月7日頃。暦上は、この日から秋になる。
旧暦七月七日の夜のこと。五節句のひとつで、裁縫の上達を願い素麺が食されたりもする。現代の七夕祭りは、新暦7月7日に行われることが多いが、月遅れの8月7日に行われるところもある。
七夕伝説における織女星と牽牛星を隔てる河であることから、秋の季語となる。東アジアでは河と見る銀河も、西洋では Milky Way のように乳と見る。ギリシャ神話では、女神ヘラの母乳とされている。
マメ科ハギ属。秋の七草のひとつで、7月から10月に紫や白などの花をつける。痩せた土地でも良く育つため、緑化資材としても用いられる。中秋の名月に、ススキ・月見団子と共に供える。
中国南部原産のタデ科ソバ属の一年草で、イネ科以外の穀類である。乾燥した冷涼な土地でも栽培が容易で、3カ月ほどで収穫できることから、救荒作物ともなる。播種の時期にもよるが、初秋に小さな白い花をつける。ただし、悪臭を放つ。