季語|初氷(はつごおり)

初冬の季語 初氷

初氷の俳句と季語その冬、初めて張った氷のこと。東京では12月20日頃となる。因みに終氷は3月10日頃。初雪は1月5日頃、初霜は初氷と同じく12月20日頃である。

【初氷の俳句】

手へしたむ髪の油や初氷  炭太祇

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季語|立冬(りっとう)

初冬の季語 立冬

冬に入る(ふゆにいる)今朝の冬(けさのふゆ)冬来る(ふゆきたる)冬立つ(ふゆたつ)

立冬の俳句と季語二十四節気の第19で、この日から立春の前日までが冬となる。立冬日は、11月7日頃となる。
立冬の期間の七十二候は、山茶始開(つばきはじめてひらく)・地始凍(ちはじめてこおる)・金盞香(きんせんかさく)。
中国では、立冬に餃子を食べて、寒い冬に備えるという。立冬の日の朝を、感慨を込めて「今朝の冬」という。

【立冬の俳句】

立冬や窓に始まる雨の音  岩田由美

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季語|山茶花(さざんか・さんさか)

初冬の季語 山茶花

山茶花の俳句と季語ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。晩秋から初冬に、赤や白やピンクの、椿に似た花をつける。中国地方や四国・九州に自生し、日本原産とされる。
山茶花と椿は見分けがつきにくいが、山茶花には、葉の縁がギザギザしているなどの特徴がある。また、椿の花季は12月から4月で、春の季語に分類されるのに対し、山茶花は10月から12月で冬。椿の花は、首から落ちるのに対し、山茶花は、花びらが一枚一枚散っていく。

中国ではツバキを「山茶」とし、それを音読みした「さんさ」に「花(か)」がついて「さんさか」と呼ばれていたものが転訛して、日本では「さざんか」になった。因みに中国では、サザンカは「茶梅」。「サザンカ」の名は、江戸時代以前の文献には現れないが、俳諧歳時記栞草(1851年)には「十月」の項に「山茶花(さざんくわ)」として出てくる。
サザンカの古名は「コカタシ」「ヒメカタシ」と言う。「カタシ」とは椿のことで、古くは小さい椿と認識されていた。

近代に入っては、文芸上でも取り上げられることが多い。特に有名なのは、「さざんか、さざんか、咲いた道…」で知られる童謡「たきび」であろうが、1982年には演歌「さざんかの宿」も大ヒットしている。

【山茶花の俳句】

山茶花に雨待つこころ小柴垣  泉鏡花

▶ 冬の季語になった花 見頃と名所

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季語|初冬(はつふゆ・しょとう)

初冬の季語 初冬

初冬の俳句と季語陰暦十月。冬のはじめ。

▶ 関連季語 冬

【初冬の俳句】

初冬のまた声放つ山の鳥  飯田龍太

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季語|時雨忌(しぐれき)

初冬の季語 時雨忌

芭蕉忌(ばしょうき)翁忌(おきなき)・桃青忌(とうせいき)・芭蕉会(ばしょうえ)・翁の日(おきなのひ)

時雨忌の俳句と季語(芭蕉肖像真蹟)陰暦10月12日。俳聖・松尾芭蕉の忌日。元禄7年(1694年)10月12日に、大坂御堂筋の花屋仁左衛門の貸座敷でその生涯を閉じた。遺骸は近江の義仲寺に運ばれ、木曾義仲の墓の隣に葬られた。死の4日前に詠んだ

旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる

が最後の句となり、これを辞世と見る向きもある。

はせを忌と申すもたつた一人かな  小林一茶

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季語|時雨(しぐれ)

初冬の季語 時雨

時雨るる(しぐるる)初時雨(はつしぐれ)

時雨の俳句と季語冬の初めの通り雨。昼夜を問わない。「しばし暗き(しばし暮れる)」を語源にするとの説がある。涙ぐむこともまた「しぐれる」という。万葉集にも「時雨」を詠み込んだ歌は9首ある。橘奈良麻呂の

十月時雨にあへる黄葉の 吹かば散りなむ風のまにまに

など、全てが黄葉(紅葉)とともに歌われたものである。
陰暦10月12日に没した松尾芭蕉の忌日は「時雨忌」という。

【時雨の俳句】

人々をしぐれよ宿は寒くとも  松尾芭蕉
しぐるるや駅に西口東口  安住敦

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季語|凩(こがらし)

初冬の季語 

木枯らし(こがらし)木枯(こがらし)

凩の俳句と季語初冬の寒風は、木々をも枯らすと言われる。元禄3年(1690年)「新撰都曲」に載った「木枯の果はありけり海の音」は評判を呼び、池西言水は「木枯の言水」と呼ばれている。なお、この句の「海」は琵琶湖、「木枯」は比叡颪である。この句から派生したと見られる、山口誓子の「海に出て木枯らし帰るところなし」も秀句として知られる。

【凩の俳句】

木枯の果はありけり海の音  池西言水
海に出て木枯らし帰るところなし  山口誓子

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季語|神無月(かんなづき)

初冬の季語 神無月

神有月(かみありづき)神在月(かみありづき)神の留守(かみのるす)神の旅(かみのたび)・神迎(かみむかえ)・神還(かみかえる)

神無月の俳句と季語旧暦十月は、全国の神様が大国主が祀られる出雲大社に集結するとされ、神様が留守になることから神無月という。反対に出雲では神有月、神在月という。出雲大社では、縁結びの相談が行われているという。平安時代には既に定着していた説であるが、本来は「神の月」という意味の「神な月」から来ていると言われている。俳諧歳時記栞草には、荷田東麻呂翁の「雷無月」が語源という説も載せる。

【神無月の俳句】

風寒し破れ障子の神無月  山崎宗鑑

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季語|帰り花(かえりばな)

初冬の季語 帰り花

返り花(かえりばな)帰咲(かえりざく)・狂咲(くるいざき)・狂花(くるいばな)・忘花(わすればな)・二度咲(にどざき)

帰り花の俳句と季語桜に限らず、桃やツツジなど、11月頃に季節を違えて咲く花をいう。身請けされた遊女が再び勤めに出ることもまた「帰り花」という。

散った花がその年のうちにもう一度花をつける様を、帰ってきたと見なす。

【帰り花の俳句】

かへり花暁の月にちりつくす  与謝蕪村
帰り咲く八重の桜や法隆寺  正岡子規

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季語|冬紅葉(ふゆもみじ)

初冬の季語 冬紅葉

残る紅葉(のこるもみじ)・紅葉散る(もみじちる)・散紅葉(ちるもみじ)・紅葉枯る(もみじかる)

冬紅葉の俳句と季語葉緑素がなくなりアントシアンなどの色素が蓄積して起こる、葉の赤変や黄変が「紅葉」で、紅葉することを「もみづ」という。
紅葉するという意の「もみつ」が、平安時代以降濁音化して「もみづ」となり「もみじ」の語源になったと言われている。尚、「もみつ」は染色に関わる言葉で、「揉み出づ」のこと。ベニバナを揉んでで染め上げた絹織物のことを、紅絹(もみ)といった。

紅葉」は秋の季語であるが、紅葉が見頃を迎えるのは、立冬を過ぎてからという地方が多い。

【冬紅葉の俳句】

冬紅葉冬のひかりをあつめけり  久保田万太郎

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