俳句検索結果



競漕やコースの外の都鳥　　水原秋桜子　季
天津日を土もよろこび植樹祭　　浅井紅一露　季
緑の週間始まり雨に奔る川　　皆川盤水　季
柳祭衿ゑん早も灯りけり　　小池一覚　季
どんたくの囃子聞ゆる別れかな　　松岡あつ子　季
つづみうつ肉手丁々都踊　　橋本多佳子　季
たのしうて東踊りのにくらしう　　矢野絢　季
浪花踊見つつはあれど旅疲れ　　富安風生　季
花疲れ蘆辺踊りの椅子にあり　　伊藤祐翠　季
春場所の太鼓に運河光るなり　　渡辺亀齢　季
花人に混じる十三詣りかな　　乾木水　季
石段にかゝぐる袂智慧詣　　阿部蒼波　季
馬に付く昆布よ椿よ摩耶詣　　安井小酒　季
水口に遊ぶ田螺も祭りかな　　宮川庚子　季
春日祭鹿もつどひて賑はへり　　梶原五道　季
申祭三笠青みてゐたりけり　　山之内基　季
二月先づ碧梧桐忌や畑平ら　　泉天郎　季
この道をふみまどはず鳴雪忌　　富安風生　季
多喜二忌の髪落つるなり膳の上　　石野兌　季
丈草忌蕉門の徒の今もあり　　奈良山永実　季
熱海はも牡丹雪降り逍遥忌　　武石佐海　季
利休忌のがぶ飲みの茶を楽しめり　　石塚友二　季
海棠忌さびしきは人恋ふるなり　　石塚友二　季
梅が香のよどむ谷戸なり三汀忌　　吉川春藻　季
其角忌や槎牙たる梅の影も闇　　青木月斗　季
俗腸に晋子を祭る大酒かな　　宇佐美不喚楼　季
もの思ひにゆかりもあらぬ人麿忌　　滝沢初馬　季
あたゝかき巷となりぬ竹冷忌　　真田素方　季
京に来て降り込めらるゝ大石忌　　村山古郷　季
蓮如忌や遠き古江の渡し守　　織田烏不関　季
宗因忌浪花の梅のなつかしき　　酒井至人　季
なには女や京を寒がる御忌詣で　　与謝蕪村　季
御影供やひとの問ひよる守敏塚　　炭太祇　季
北面の御堂かしこし御影供　　黒柳召波　季
啼き下る鴉に追はれ春の鹿　　渡辺小折女　季
孕み鹿より来ることの愛しさよ　　岸風三樓　季
夕月や角なき鹿のうづくまる　　山田三子　季
義肢外すこの雲雀野の明るさに　　黒岩十三城　季
百千鳥鳥居立たせる山路かな　　阿波野青畝　季
楢林春禽雨を愉しめる　　西島麦南　季
駒鳥鳴くや月照山は雲の上　　大竹孤悠　季
飛んでまたみどりに入るや松むしり　　広瀬惟然　季
照り雨や滝をめぐれば鷽の啼く　　加舎白雄　季
春の鵙濡れたる石が曇りけり　　加藤楸邨　季
巣燕に金星見えぬとも限らぬ　　三橋鷹女　季
山靄に木立は消えて岩燕　　三国十四　季
引鶴や笏をかざして日を仰ぐ　　高田蝶衣　季
壁ちかくねまりて聞けり帰る雁　　石橋秀野　季
行く雁の声立てゝ沖は開けたり　　大須賀乙字　季
白樺の花の塵かも温泉を流れ　　水原秋桜子　季
白樺の花を覚えて穂高去る　　後藤比奈夫　季
釣り鐘にとまりて眠る胡蝶かな　　与謝蕪村　季
蜂の巣や装ひこらす古き家　　高橋秀水　季
薄繭の蚕のいとなみ透きとほり　　金子伊昔紅　季
障子あきすぐ閉ざされし捨蚕かな　　森田峠　季
梯子ある二階の蚕棚見ゆるかな　　井桁蒼水　季
山繭を飼ふ戸に渓の音通ふ　　大野木静丘　季
日静かに繭をいとなむ山蚕　　渡辺呂杣　季
負ふた子や通草の花に手をのべる　　松瀬青々　季
唐太の天ぞ垂れたり鰊群来　　山口誓子　季
沖揚やみな旗立てて鰊舟　　伊藤凍魚　季
覆面の瞳鰊の他は何も見ず　　岸田稚魚　季
噴煙や鰊曇に立ちうすれ　　岡村浩村　季
魚島の沖にあがりし煙火かな　　岩井無風　季
鯛網や浜街道は山に入り　　内田百閒　季
あけぼのやしら魚しろきこと一寸　　松尾芭蕉　季
公魚をさみしき顔となりて喰ふ　　草間時彦　季
日ならべて鰆の潮の碧かりき　　佐野まもる　季
ふる雪を消しつゝ鱒の渦ながる　　沢田緑生　季
進み来る針魚の波も入江なれ　　井上白文地　季
汐先に見えはじめたる鱵かな　　岡田耿陽　季
函根籠桜うぐひの一トならべ　　松瀬青々　季
花烏賊を煮て吹き降りの夕べなり　　百合山羽公　季
なほ枯るゝ志賀の蘆原諸子釣　　中村若沙　季
鮠つるや水輪相つぐ夕流れ　　原石鼎　季
柳鮠さばしる水をかちわたる　　富安風生　季
浅間晴れて豌豆の花真白なり　　高浜虚子　季
草の葉も入れて活けおく小鮎かな　　松本翠影　季
初鮒や門の雪田も水漬きそむ　　村山古郷　季
岸の人乗込み鮒と顔あはす　　阿波野青畝　季
舟底や眼を動かせて子持鮒　　植村隆　季
ほんの少し家賃下りぬ蜆汁　　渡辺水巴　季
蜆掻く湖浅く富士澄みにけり　　依田由基人　季
瀬水まだつめたき蜆掘りにけり　　石原映水　季
車内に浅蜊歳若きほど無礼者　　秋元不死男　季
浅蜊汁洋燈臭しと思ひけり　　久米三汀　季
馬刀貝の潮にさか立ち砂の中　　秋田蓬牛　季
がうな吐く水を捨ててはがうな売る　　右城暮石　季
貝張りの中にまぜばや宝貝　　小栗旨原　季
埋木と共に掘られぬ烏貝　　高田蝶衣　季
日あたればあやあきらかに蜷の道　　軽部烏頭子　季
蟻出るやごうごうと鳴る穴の中　　村上鬼城　季
蠅生れ戦車軍艦復た還る　　石塚友二　季
膝に来て影ふるはしぬ春の蠅　　浜田未知　季
掃きもせで雨の宵寝や春の蚤　　北川浅二　季
張板に吸ひつく紅絹や木の芽晴れ　　高橋淡路女　季
いつまでも寒さほどけず楓の芽　　岡村閑月　季
たらの芽や浜のつねなる通り雨　　目迫秩父　季
枸杞の芽や日の色淡く洩るゝ時　　石川古堂　季
緑立つ日々を癒えたし母のため　　古賀まり子　季