俳句

季語|火取虫(ひとりむし)

三夏の季語 火取虫

火蛾(ひが・ほが・ひとりむし・かが)灯虫(ひむし)燈蛾(ひとりが・とうが)

火取虫の俳句と季語夏の夜、灯火に集まってくる昆虫の事を火取虫というが、特にのことをいう。俳諧歳時記栞草には、火蛾を「ひとりむし」と読ませ、六月に分類。「夏の夜、燈燭をみる時は、火を奪はんとほりするがごとく、数回りて終に燈油中に投て死す。故に愚人、色欲・貪欲の為に身命を抛つ、以て燈蛾に譬ふ。」とある。

虫が光に寄せられることを走光性というが、走行性の理由について明確に説明されたものはない。一般には、夜間の方向性をつかむために月あかりを利用していた虫が、人間の活動とともに灯火に集まるようになったと言われている。なお、昆虫に見える光は紫外線と近紫外線に限られており、光の波長を調整できるLEDを利用し、虫を呼びにくい灯火も開発されている。

【火取虫の俳句】

灯取虫這ひて書籍の文字乱れ  高浜虚子
灯虫さへすでに夜更のひそけさに  中村汀女

▶ 俳句の季節「蛾は美しい」

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季語|茄子(なす・なすび)

晩夏の季語 茄子

なすび初茄子(はつなす・はつなすび)

茄子ナス科ナス属。インド東部が原産とされ、隋の煬帝はこれを崑崙紫瓜(こんろんしか)と言った。「茄子の花」とともに、その実は「茄子」として夏の季語となる。延喜式に栽培法が載ることから、奈良時代にはすでに伝来していたと考えられているが、俳諧が盛んになるまで、和歌にその名は見られない。
5月に植え付けた苗は6月中旬から実をつけはじめ、9月まで収穫できる。秋にとれる茄子は「秋茄子」といい、特に美味とされ、秋の季語となる。

品種は多く、世界で1000種、日本でも180種を超え、加茂茄子・丸茄子・長茄子・白茄子などがある。料理方法も多岐にわたり、加熱調理したり漬物にしたりして食す。
文化的には秋との結びつきが深く、盆の「精霊馬」や七夕の「七夕馬」になるほか、「秋茄子は嫁に食わすな」の慣用句もある。
初夢に「一富士、二鷹、三茄子」と言われるが、「茄子」は「成す」に掛けられることがある。また、平凡な人物から天才は生まれないという「瓜の蔓にナスビはならぬ」という慣用句もある。
関西では「なすび」と言うが、これが元の名である。室町時代の女官が「おなす」と呼んだところから、「なす」に転訛した。語源は、夏の実を表す「なつみ」にあるとされる。
表面につやのないものを「ぼけ茄子」と言い、ぼんやりした人を罵る言葉にもなっている。

【茄子の俳句】

うれしさよ鬼灯ほどに初茄子  岩田涼菟
茄子もぐや日を照りかへす櫛のみね  杉田久女

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季語|河鹿(かじか)

三夏の季語 河鹿

河鹿笛(かじかぶえ)

河鹿の季語と俳句「蛙」の仲間である河鹿は、アオガエル科カジカガエル属に分類され、夏の季語となる。本州から九州の渓流に棲み、4月から8月頃までの繁殖期、オスは美しい声で鳴く。そのため、美しい声で鳴く雄鹿に擬せられ、河の鹿の意の「河鹿」の名がついた。
山口県岩国市の錦川中流域と、岡山県真庭市の湯原地区に、カジカガエル生息地として国の天然記念物に指定された場所がある。

「蛙」は「かわず」とも読むが、古くは「かわず」と言えば河鹿のことを指した。万葉集には「かはづ」の和歌が20首が登場するが、ここに歌われるのは河鹿のことで、アマガエルとの混同が見られ始めたのは、平安時代になってからである。
俳諧歳時記栞草には秋八月の部に分類され、「夏の季より秋に至りて鳴」とある。万葉集に「かはづ」で歌われたものに

神奈備の山下響み行く水に かはづ鳴くなり秋と言はむとや

があるように、河鹿は、秋の季語である「鹿」に比せられたがゆえに、古くは秋を想起させるものであった。

因みに「鰍」と書いて「かじか」と読ませる魚が存在し、秋の季語となる。古くは鳴く魚だと信じられ、俳諧歳時記栞草にも「水底にありて鳴魚なり」とあるが、鳴くことはない。生息域が重なる河鹿との混同から名付けられたという。

【河鹿の俳句】

耿々と河鹿の笛に渓の天  秋元不死男

【河鹿の鳴き声】
オスは約4センチ、メスは約6センチ。渓流の岩場での保護色となる、灰から茶の体色を持つ。特に5月から6月にかけて、夜間を中心によく鳴く。(YouTube 動画)

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季語|雨蛙(あまがえる・あまかわず)

三夏の季語 雨蛙

青蛙(あおがえる)枝蛙(えだかわず)

雨蛙の季語と俳句「蛙」とすれば春の季語になるが、「雨蛙」は夏の季語である。俳諧歳時記栞草では四月に分類されており、「枝蛙」「土鴨(どあう)」の名も出てくる。

雨蛙とは、ニホンアマガエルのことを指し、モリアオガエルを指す「青蛙」とは別種である。しかし、両種はよく似ている。やや小型で、目から耳にかけて黒い帯模様があるのが、ニホンアマガエルである。
両種ともに樹上で生活することから、「枝蛙」の異名を持つ。特にモリアオガエルは、木の枝に泡で包まれた卵塊を産みつけるという特色がある。
鳴くのは繁殖活動の一環であり、オスのみが合唱する。ただニホンアマガエルは、「雨蛙」の名の通り、雨が降りそうになると繁殖期でなくても鳴く。これを「雨鳴き」「レインコール」という。

【雨蛙の俳句】

雨蛙芭蕉にのりてそよぎけり  宝井其角
枝蛙泣くせはしさに踏みまよふ  水原秋桜子

【雨蛙の鳴き声】
ニホンアマガエルは、北海道から九州に生息している。3月頃に冬眠から覚めたニホンアマガエルは、暖かくなると水田や池などで繁殖活動をする。繁殖活動は8月頃まで続く。通常は緑色だが、土や枯葉が多い場所では茶色になる。(YouTube 動画)

【青蛙の鳴き声】
モリアオガエルは、日本の固有種で本州と佐渡島に分布。通常は森の中に棲んでいるが、繁殖期である4月から7月には、池や沼に現れる。水面にせり出した木の枝に産み付けられた卵塊でオタマジャクシとなり、雨の日に水面に落ちる。(YouTube 動画)

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季語|きりぎりす

初秋の季語 きりぎりす

螽斯(きりぎりす・しゅうし)ぎす

きりぎりすの俳句と季語バッタ目キリギリス科キリギリス属に分類される昆虫。本州から九州に分布し、主に東日本に生息するヒガシキリギリスと、西日本に生息するニシキリギリスに分かれる。春に孵化した幼虫は、花粉などを食して成長するが、大きくなると昆虫などを捕食するようになる。
晩夏から初秋にかけての昼間、オスは草むらで前翅をこすり合わせて鳴く。その鳴き声は「チョンギス」と聞きなし、そこから「ぎす」とも呼ばれ、キリギリスの語源になったと言われている。
しかし、江戸時代まではコオロギとの混同が度々発生。新古今集に載る後京極摂政前太政大臣の歌

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む

は、コオロギの事を歌っているというのが通説になっており、江戸時代の俳諧歳時記栞草の「蟋蟀」の項でもこれを「きりぎりす」と読ませ、コオロギの説明がなされている。有名な芭蕉句「むざんやな甲の下のきりぎりす」も、コオロギの事だと考えられている。

古くは、その鳴き声が機織機の音に似ていることから、「機織(はたおり)」と呼ばれており、拾遺和歌集の紀貫之に

秋くれば機織る虫のあるなべに 唐錦にも見ゆる野辺かな

の和歌もある。
俳諧歳時記栞草には「絡線虫(はたおり」とあり、七月に分類。「六月の内より鳴初て、七月中ごろまで、野叢の中、昼盛に鳴く。其声ギイゝスといふが如し。一二声の内にチョンと舌打す。俗、是を蛩(きりぎりす)と云て、小籠に入て市に売て小児の翫(もてあそび)とす。その形いなごに似て大なり、是はたおり也。ギイゝといふは機躡(まねき)の音、チョンは筬(おさ)打音なり。又ギスともいへり。」とある。

平安時代の「堤中納言物語」の中の「虫めづる姫君」は、昆虫を飼う風変わりな姫君を描いた短編であるが、その中に「はたおりめ(きりぎりす)」の小袿を着ているとある。
世界的には、イソップの物語の「アリとキリギリス」が知られており、この物語のように、きりぎりすは冬になる前に死滅する。

▶ 関連季語 蟋蟀(秋)

【きりぎりすの俳句】

むざんやな甲の下のきりぎりす  松尾芭蕉

【きりぎりすの鳴き声】
バッタ目キリギリス科キリギリス属。オスのみが前翅をこすり合わせて鳴く。チョンギスと聞きなす。(YouTube 動画)

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季語|父の日(ちちのひ)

仲夏の季語 父の日

父の日の俳句と季語国によって父の日は異なるが、日本では6月の第3日曜日。アメリカのドッド夫人が、男手1つで自分を育ててくれた父を讃え、1909年の父の誕生月である6月に、白いバラを掲げて礼拝をしてもらったことがきっかけである。翌年の1910年6月19日から父の日の祝典が始まるが、すでに祝われていた母の日を意識してのものであった。
1966年には、アメリカで6月の第3日曜日が父の日に定まり、1972年に正式に記念日に制定されている。日本ではそれに倣って、6月の第3日曜日に、父に感謝する慣行がある。普及には、1981年に設立された日本ファーザーズデイ委員会の貢献が大きい。その日本ファーザーズデイ委員会の「父の日黄色いリボンキャンペーン」により、父の日には黄色いバラを贈るという認識が広がっている。

【父の日の俳句】

父の日の後姿を妻が言ふ  有働亨



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季語|ソーダ水(そーだすい)

三夏の季語 ソーダ水

サイダー(さいだー)ラムネ(らむね)

ソーダ水の俳句と季語炭酸ガスを含む水のことを炭酸水、あるいはソーダ水という。これを清涼飲料水として味付けしたものは炭酸飲料とも呼ばれ、その涼感から夏の季語となる。元は重曹とレモン果汁のクエン酸が化学反応して生まれたもので、ナトリウム化合物を指す「ソーダ」と呼ばれる。
「サイダー」は、リンゴ酒を指す英語である。リンゴ風味の炭酸飲料にも使われるようになり、現在では無色透明の炭酸飲料の総称として用いられている。
「ラムネ」は、レモネードが転訛したもので、「玉詰びん(ラムネ瓶)」という容器に入れられたものである。現在では、内容物にサイダーとの違いはなく、玉詰びんに入っているかどうかでサイダーとラムネに分かれる。玉詰びんのラムネ玉は、炭酸の圧力によって内容物を密封する。

日本に炭酸飲料がもたらされたのは幕末で、1865年には長崎で「ポン水」と呼ばれるラムネの生産が外国人の手によって行われていた。1868年にはノース&レー商会により、横浜でサイダーの生産も行われた。これは、パイナップルとリンゴの味をつけた「シャンペン・サイダー」だったが、後に横浜に開業した金線サイダーがリンゴ味だけにしたため、「サイダー」となった。

【ソーダ水の俳句】

ソーダ水方程式を濡らしけり  小川軽舟

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季語|海月(くらげ・かいげつ)

三夏の季語 海月

水母(くらげ・すいぼ)

海月の俳句と季語刺胞動物門に属し、ヒドロ虫綱・十文字クラゲ綱・箱虫綱・鉢虫綱に分かれる。淡水や海水中に生息し、浮遊生活をする。
ゼラチン質の体を持ち、傘の下面の中心部に口があり、動物性の餌を採る。多くの種類では傘の縁に触手がある。従来、肛門はないと考えられてきたが、近年、それを覆す研究結果が発表されている。
多くのクラゲでは、雌雄異体である。幼生はポリプとなり、そこから出芽してエフィラというプランクトンになる。ポリプは、無性生殖によって増殖するため、クラゲには無性世代、有性世代が存在する。

「くらげ」の語源は、目がないように見えることから「暗気」に由来するという説がある。「海月」「水月」と書くのは、水に浮んだ傘が、水中の月のように見えるからである。中国では、クラゲのことを「水母」と書く。
古事記に既に現れ、「天地のはじめ」で国の形がまだ定まっていない時に、「国わかく、浮かべる脂の如くして水母なす漂へる時に、葦牙のごと萌えあがる物によりて成りませる神の名は、ウマシアシカビヒコヂの神」とある。

俳諧歳時記栞草には、六月項に「海月取(くらげとる)」がある。「滑稽雑談」の引用で、「泥海に生ず、故に備前・筑前等より、多く此月取て、檞の葉を多く割て、海月の肉を包み、塩を用ひず、只葉を以て淹蔵する也」とある。
古来、骨のないものの代表として挙げられるクラゲは、「枕草子」にも出てくる。珍しい骨を手に入れた自慢する藤原隆家に対して、清少納言が海月の骨だと言って返すものである。あり得ない物事のたとえとして、「クラゲの骨」という語にもなっている。

盆過ぎの海ではクラゲに刺されると言い、盆過ぎにはクラゲが多く出現すると言われている。この盆過ぎに出現するクラゲは、主にアンドンクラゲである。
近年では、大きなエチゼンクラゲが漁業などに影響を及ぼしているとの報道も増えたが、肥料や飼料、食用にするなど有効利用する方法も考えられている。元々日本と中国には、食用にする文化もある。
1984年にアメリカのモントレー湾水族館がクラゲの展示を目玉にしたことから、日本でも水族館におけるクラゲの展示は人気を集めている。特に、山形県の加茂水族館のクラゲは、廃業の危機を救ったとしてテレビにも紹介され、ギネスに認定された世界一のクラゲ水族館としての魅力とも相まって有名である。

【海月の俳句】

水母また骨を探してただよへり  岩淵喜代子

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季語|捕虫網(ほちゅうあみ・ほちゅうもう)

晩夏の季語 捕虫網

捕虫網の俳句と季語夏の季語に「昆虫採集」があるが、文字数が長くなるために俳句になる事は少なく、副題の「捕虫網」がよく使われる。
ヨーロッパでは、昆虫採集は貴族的な趣味であり、大航海時代には、世界中の生物標本を求める博物学から広がった。その流れから、江戸時代の日本にも博物学が導入されるが、昆虫採集が夏の風物詩となったのは近代に入ってからである。特に、「ファーブル昆虫記」が翻訳された大正期以降、夏休みの自由研究として身近な昆虫を取り上げる子供たちが増え、昆虫採集が盛んになっていく。
昆虫採集の対象として人気なのは、カブトムシ・クワガタ・トンボ・チョウ・セミなどである。これらの昆虫をつかまえるために基本となる採集道具が、捕虫網。けれども、走光性などのそれぞれの昆虫の持つ特性を利用して、独自の採集道具をつくることも昆虫採集の楽しみのひとつである。

捕まえた昆虫は、研究の一環として飼育したり標本にしたりすることが普通であるが、かつては製薬のために採集されるものもあった。むしろ、近代以前の昆虫採集の目的は、生活に利用することであり、食用に蜂の子を採取することもまた「昆虫採集」である。
生活利用の面では、虫の声を聞くために、コオロギやスズムシを採集することが平安時代から行われており、江戸時代には「虫売」という商売もあった。ただ、これらの虫は秋を代表するものであり、「虫売」は秋の季語となっている。昆虫採集とは一線を画するものである。

【捕虫網の俳句】

打ちふつて夕日を捉ふ捕虫網  高橋悦男



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季語|蛞蝓(なめくじ・なめくじら・なめくじり)

三夏の季語 蛞蝓

なめくぢらなめくじり

蛞蝓陸に生息する巻貝(軟体動物門腹足綱)のうち、殻が退化しているものの総称で、殻を持つ種類はカタツムリである。
元はカタツムリのように殻を持っていたが、それを失う方向へと進化した結果、ナメクジとなった。このような貝殻の消失はウミウシなどにも起こっており、「ナメクジ化」と呼ばれる。

日本には、在来種のナメクジ科のナメクジや大型のヤマナメクジ、ヨーロッパからの外来種であるチャコウラナメクジなどが生息している。一年をとおして見られる生物であるが、湿気を好むために、梅雨時に特に目につくため、夏の季語となる。
交尾をして増殖するが、メスでもオスでもあり、卵子と精子を両方持つ雌雄同体である。
落葉を主食とするが、農作物にも被害を与えるために害虫とされる。またその見た目や、這ったあとに残る粘液から、不快害虫としての側面も持つ。そのようなナメクジを溶かすといって塩を振りかけることがあるが、浸透圧によって水分が抜け、小さくなるだけである。
ナメクジの語源は、その作物を食す姿から、「舐める」と、えぐることを指す「くじる」にあると考えられている。

【蛞蝓の俳句】

なめくぢり這ひて光るや古具足  服部嵐雪

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