季語|鰻(うなぎ)

三夏の季語 

鰻の季語俳句ウナギ科ウナギ属の魚には、オオウナギなど世界で19種類が知られているが、俳句に詠まれる「鰻」はニホンウナギである。冬の季語に「八目鰻」もあるが、このヤツメウナギは別種で、一般的な魚類にすら分類されない。
ニホンウナギは東アジアに広く分布し、海で孵化した稚魚は海流に乗って日本付近に到達し、シラスウナギとなって川を遡上して、成長しながら川や湖で生活する。10年ほどすると海へと向かい、マリアナ海嶺付近まで移動して産卵する。

2014年に、ニホンウナギは絶滅危惧種の指定を受けた。流通しているもののほとんどは養殖ものであるが、完全養殖されたものではなく、シラスウナギを河川で捕獲して、養殖池で養殖している。シラスウナギ漁は、12月から4月頃の夜間に、河口に火を灯して行われる。

関西では「まむし」とも呼ぶが、古くは「むなぎ」と呼ばれていた。万葉集に「痩せたる人をわらへる歌二首」として大伴家持の和歌で、

石麻呂に我れ物申す夏痩せに よしといふものぞ鰻捕り食せ
痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた 鰻を捕ると川に流るな

がある。ここにおける「鰻」は「武奈伎」と記され、「むなぎ」と読まれていた。
この「むなぎ」の語源は、胸が黄色く見えるところから「胸黄(むなぎ)」にあるという説や、丸くて細長いことから「棟木(むなぎ)」と見なしたという説などがある。

縄文時代にも食されていた鰻は、古くから滋養強壮に良いと認識されていたようである。宝暦年間においては、「江戸前」といえば「鰻」のこととされるほどに一般的な食物となっていたが、夏場のものは食味が落ちるために人気がなかった。そこで平賀源内が一計を案じ、丑の日に「う」のつくものを食べると良いという伝承を利用し、「本日土用の丑の日」と大書して、夏場の鰻屋の窮状を救ったという。
現在でも、栄養豊富で夏バテに効くと信じられており、夏場には、土用の丑の日を中心にしてよく食べられている。料理方法で一般的なのは蒲焼であるが、関東と関西ではさばき方が違う。関東では背開き、関西では腹開きである。
その他に、白焼・肝吸い・うざく・う巻き・ひつまぶし等。

慣用句に、「うなぎの寝床」「うなぎのぼり」などがある。

▶ 関連季語 土用鰻(夏)

【鰻の俳句】

浅草の鰻をたべて暑かりし  臼田亞浪



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季語|蛸(たこ)

三夏の季語 

章魚(たこ)蛸壺(たこつぼ)

蛸の俳句と季語(蛸水月烏賊類図巻)頭に見える部位が胴で、足は頭から生えているような形になるので、頭足綱に分類されている。軟体動物で骨はなく、吸盤のついた八本の足が特徴。オスは、そのうちの一本の先端が生殖器になっている。
大きく分けてヒゲダコ亜目とマダコ亜目があり、食卓に馴染みのマダコ・ミズダコ・イイダコは、マダコ亜目マダコ科に属する。

世界には、戒律から蛸を食せない宗教もあるが、日本では古くから食されている。特にマダコは身が締まり、濃厚な旨みがあって高級とされ、「蛸」といえば通常はこのマダコを指す。
マダコは、三陸から九州にかけての太平洋沿岸や瀬戸内海で捕獲され、水深40mまでの比較的浅いところに生息している。明石などの瀬戸内ものの旬は、産卵期の6~7月のもので、これを「麦わらだこ」と呼んでいる。

蛸漁のはじまりは、弥生時代にあると考えられている。縄文型内湾漁労が衰退してから、内湾漁労として蛸壺漁が始まったと考えられており、明石はその発祥地とされている。ただ、蛸壺漁は非効率であるため、現在ではほとんど行われていない。

蛸は年中捕獲されるものではあるが、関西では半夏生に蛸を食べる習慣があり、夏の季語となっている。ただし、季語になったのは近年のことであり、松尾芭蕉に「たこ壺やはかなき夢を夏の月」の句もあるが、「蛸」のみを季語として詠み込んだ俳句は少ない。
「蛸は身を食う」という慣用句があるが、蛸は空腹になると自分の足を食うと言われることから、財産を食いつぶすことを指す。また「蛸足配線」などもよく使われる言葉である。
「たこ」の語源はその手足に特徴を見て、「手(た)」に接尾語の「こ」をつけたものだという説がある。

【蛸の俳句】

章魚沈むそのとき海の色をして  上村占魚



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季語|鯖(さば)

三夏の季語 

鯖釣(さばつり)

鯖の俳句と季語(日東魚譜)スズキ目サバ科に分類され、日本近海ではマサバ(サバ属)・ゴマサバ(サバ属)・グルクマ(グルクマ属)・ニジョウサバ(ニジョウサバ属)が見られる。太平洋沿岸のマサバは、春に伊豆半島沖で産卵して北海道まで北上し、秋に南下し始める。南下して八戸沖に到った鯖は「戻りのサバ」として、最上とされる。また、豊後水道の関鯖(マサバ)は極上とされるが、これは回遊性が低く年中獲れるが、旬は秋から冬にかけてである。

サバの語源は、斑入りであることから「斑葉魚(いさばらうお)」と呼ばれていたものが転訛したところにあるという説や、「騒ぐ」という意味の「さばめく」にあるという説などがある。
鯖は、その旬の季節とは異なり夏の季語になっているが、俳諧歳時記栞草には夏之部六月に「鯖釣」が載っており、「能登の海上に四月多し」とある。また福井県には「半夏生鯖」という風習があり、夏の栄養補給のために半夏生に鯖を食べる風習があったという。比較的旬の食材が少ない夏場に、鯖は貴重なたんぱく源であった。若狭で獲れた鯖を塩鯖にして京まで運んだ街道は、現在でも「鯖街道」として残っている。
古くから親しまれてきた鯖は、いくつかの慣用句にもなっており、「鯖の生き腐れ」「鯖を読む」などがある。日本書紀(仲哀紀)には、天皇の御幸に際し「周芳の沙麼(さば)の浦に参迎ふ。魚塩の地を献る」の記述があり、「鯖」との関連がうかがえる。

▶ 関連季語 秋鯖(秋)

【鯖の俳句】

鯖釣やしらぬ火ならぬ浪のうへ  釈蝶夢



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季語|汗(あせ)

三夏の季語 

汗水(あせみず)玉の汗(たまのあせ)汗ばむ(あせばむ)

汗の俳句と季語フェロモンの役割を果たしているとの説もあるが、主に体温調整のために汗は出て、気化熱によって体表から体温を下げる。皮膚が高温になると、視床下部の温度調整機能が働き、発汗命令が出る。精神的な刺激によって視床下部が刺激された時にも汗が出ることがあるが、緊張時に汗が出るのはこのためである。

汗が出るのは哺乳類に限られるが、その中でも、ヒト以外では馬や猫など、ごく少数である。足の裏に汗をかく猫は、体温調整というよりも、臭いを残すために利用している。なおヒトの手の汗は、進化の過程で、滑り止めの役割をしていたとも考えられている。
汗の主成分は水であるが、ミネラルなどが1%ほど含まれている。夏場には、人は発汗で一日に3ℓ以上の水分を奪われることが普通であり、健康維持には、そのために奪われるミネラル補給も重要である。

慣用句には、「冷や汗をかく」「手に汗握る」「汗水たらす」「汗水流す」「汗の結晶」などがある。

【汗の俳句】

汗の玉抱へし花の束に落つ  長谷川かな女
今生の汗が消えゆくお母さん  古賀まり子

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季語|扇(おうぎ)

三夏の季語 

扇子(せんす)白扇(はくせん)

扇の俳句と季語扇いで涼をとるための道具であるが、儀礼や芸能でも重要な役割を持つ道具である。古くは「あおぐ」を語源として「扇(おうぎ)」と呼んだ。

「扇」は、中国の貴人が用いていた翳(さしば)が起源とされ、日本には古墳時代に伝来している。ただし、このころのものは、大きな団扇のような形をしている。
現在の「扇子」につながるものは、奈良時代頃の日本で発明された。木簡を束ねて携帯に便利な形にしたもので、「檜扇」と呼ばれ、略式の笏として使用された。平安時代には、装飾が施されたものが女性の間にも広がり、顔を隠す道具としても使用された。
後に、片面に紙を張った「蝙蝠扇(かわほりおうぎ)」が登場し、中国へ輸出された。その後それを元に作られた、両面張りの中国の唐扇が逆輸入されるようになった。また、これら日本や中国の扇は、大航海時代にヨーロッパへも伝来している。
因みに「扇子」は、「扇」に接尾語の「子」をつけて、中国風に音読みしたものである。

扇子は、「骨」と「扇面」と「要」と、扇を止める帯状の輪である「責」からなる、折り畳み式の「扇」である。団扇(うちわ)とは区別されている。
風を送る以外にも様々な用途があり、「源氏物語」や「枕草子」には、和歌を書いて贈ったことが記されている。その姿が「蝙蝠」に似ているために「かわほり」の別名があり、蝙蝠に因んで夏の名物と見る見方もある。

【扇の俳句】

物書いた扇を人に見られけり  正岡子規



季語|熱帯魚(ねったいぎょ)

三夏の季語 熱帯魚

闘魚(とうぎょ)

熱帯魚の季語と俳句淡水魚、海水魚を問わず、熱帯に棲む魚類を総称して「熱帯魚」という。有名なものにグッピーやネオンテトラ・エンゼルフィッシュ・カクレクマノミなどがある。
日本では大正時代に飼育が始まり、水生生物の飼育設備である「アクアリウム」の大衆化とともに、1960年代に熱帯魚ブームが起こった。1990年前後には、日本で品種改良されたブルーグラスグッピーが、第二次熱帯魚ブームを巻き起こしている。
「闘魚」も熱帯魚の一種であるが、これは、スズキ目に属する淡水魚「ベタ」のこと。メコン川流域原産で、オスは激しい縄張り争いをする。

【熱帯魚の俳句】

しづかにもひれふる恋や熱帯魚  富安風生



季語|鮓(すし)

三夏の季語 

鮨(すし)早鮓(はやずし)鮓桶(すしおけ)

鮓の俳句と季語「鮓」は漬魚が元で、「鮨」は魚醤が元になっていると考えられているが、平安時代には既に「鮓」と「鮨」に明確な区分はなくなっていた。ただ近世になると、「なれずし」には「鮓」が使われ、握り鮨が中心となる酢飯の「すし」には「鮨」が使われる傾向が表れた。よって江戸時代には、その食文化の違いから、江戸では「鮨」が、上方では「鮓」が、「すし」の文字として定着していった。
語源は「酸し」である。
現代では「寿司」と表記することが一般的であるが、これは、江戸時代に縁起担ぎでめでたい文字を用いたことが始まりである。俳句においてはあまり用いない。

すしの起源は、東南アジアの山地民の魚肉保存食との説がある。中国最古の類語辞典である「爾雅」に「鮨」の字があり、これは、魚の塩辛のようなものだったと考えられている。
日本における「すし」は、「なれずし」に始まったと考えられており、奈良時代には朝廷への貢納品ともなった。その中心は、鮎や鮒の「なれずし」であったが、十七世紀には、酢を用いた調理法も考案された。そして、十九世紀の江戸に握り鮨(江戸前寿司)が登場し、大人気となって全国に広がって行った。

「すし」は夏の季語となっているが、これは、「なれずし」が夏のはじめに漬け込まれ、夏の終わりに旬を迎えることに由来する。よって厳密に言えば、夏の季語となる「すし」は、「なれずし」としての「鮓」を使用するべきである。「鮨」の季節は、鮨種に依存すると言える。
「早鮓」は、塩か酢で締めた魚と、酢飯とを重ねて押しをして一晩味をならして作る鮨のことで、「一夜鮨」とも言う。「早鮨」とすれば、江戸前の握り鮨の異称でもある。

【鮓の俳句】

夕立や鮓売る男しとゞなる  寺田寅彦
鮓桶の塗美しき燈下かな  星野立子

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季語|水中花(すいちゅうか)

三夏の季語 水中花

酒中花(しゅちゅうか)

水中花の季語と俳句水中花は、江戸時代に中国から伝来した。彩色して圧縮してある紙や木片などを水に入れると、花のみならず動物や人形となって浮かんでくるものであった。酒席の遊びとして杯に浮かべたことから、「酒中花(しゅちゅうか)」「杯中花(はいちゅうか)」とも呼ばれた。明和年間には浅草寺の楊枝店で売られて評判となり、縁日でよく売られた。
現在主流となっている水中花は、遊興性が薄れ、装飾性の高いものである。

石田波郷の第7句集に「酒中花」(1968年)があり、芸術選奨文部大臣賞を受賞している。流行歌では、松坂慶子の「愛の水中花」があり、1979年にヒットしている。

【水中花の俳句】

いきいきと死んでゐるなり水中花  櫂未知子
作りたる色のかなしき水中花  大橋敦子

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季語|郭公(かっこう・ほととぎす)

三夏の季語 郭公

閑古鳥(かんこどり)

郭公の俳句と季語鳥綱カッコウ目カッコウ科で、ホトトギスに近縁。日本には夏鳥として5月ごろ飛来し、8月頃まで留まる。オスは「カッコー、カッコー」と鳴く。
托卵を行うことでもよく知られ、モズなどの巣に一つ卵を生み落とす。そこで生まれた雛は、他の雛を追い落として成長する。

鳴き声が人を呼ぶように聞こえるところから、呼子鳥と呼ばれることもある。
江戸時代までは「郭公」と書いて「ほととぎす」と読むことが多く、カッコウのことは「かんこ鳥」とも呼んでいる。「かんこ鳥」は、「喚子鳥(よぶこどり)」の読み違いだとされる。

▶ 関連季語 時鳥(夏)

【郭公の俳句】

憂きわれをさびしがらせよ閑古鳥  松尾芭蕉
鳥篭の憂目見つらん郭公  北村季吟

【郭公の鳴き声】
ユーラシア大陸で越冬した郭公は、5月頃になると日本に渡ってくる。その鳴き声は、「カッコー」と聞きなされる。(YouTube 動画)

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季語|焼酎(しょうちゅう)

三夏の季語 焼酎

泡盛(あわもり)

焼酎の俳句と季語日本において16世紀以前から製造される蒸留酒である。高純度エタノールに加水した連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)と、原料本来の風味が残る単式蒸留焼酎(焼酎乙類)がある。原料によって、米焼酎・麦焼酎・芋焼酎・黒糖焼酎・粕取り焼酎・そば焼酎・栗焼酎・泡盛などに分かれる。
芋焼酎などは、原料を収穫した後すぐに仕込まれるため、新酒ができるのは秋になる。けれども、アルコール度が高く、夏場も腐敗することなく飲める上に、水割りやロックにしても美味いために、夏場にも重宝する酒である。ビールが出回る以前は暑気払いに飲まれていたため、夏の季語となっている。

商品としては焼酎乙類の人気が高いが、「乙類」に対するイメージの改善のために、「本格焼酎」という言葉も生まれている。原料によって産地がほぼ固定化されており、有名なのは鹿児島の芋焼酎、大分の麦焼酎、沖縄の泡盛、奄美の黒糖焼酎、宮崎のそば焼酎、熊本人吉で球磨焼酎と呼ばれる米焼酎などである。
芋焼酎の製造方法改善による風味向上の影響もあり、2000年代に第3次焼酎ブームが起こった。以降、その保存性を含めた流通のし易さもあって、居酒屋などで日本酒を上回る人気が続いており、幻の焼酎と呼ばれるものも生まれている。

【焼酎の俳句】

焼酎にゑうてあざける浪高し  森川暁水