俳句

季語|仲春(ちゅうしゅん)

仲春の季語 仲春

春なかば

仲春の季語と俳句陰暦二月。啓蟄から春分まで。七十二候では、蟄虫啓戸・桃始笑・菜虫化蝶・雀始巣・桜始開・雷乃発声。

【仲春の俳句】

仲春や庭の撩乱古机  松根東洋城

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|春風(はるかぜ・しゅんぷう)

三春の季語 春風

春の風(はるのかぜ)

季語の春風と俳句春一番も春風であり、春風は時に恐ろしいものであるが、季語で「春風」を用いる時には、「春風駘蕩」の言葉もあるように、のどかなあたたかさが強調される。また、「風光る」などの季語もあるように、春の風は心を躍らせるものを内包している。
万葉集には「春風」として歌われた和歌が2首あり、大友家持は

春風の音にし出なばありさりて 今ならずとも君がまにまに

と歌った。

【春風の俳句】

春風にこぼれて赤し歯磨粉  正岡子規
春風や闘志抱きて丘に立つ  高浜虚子
ドア開いてゐれば出て見る春の風  稲畑汀子

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|日永(ひなが)

三春の季語 日永

永き日(ながきひ)永日(えいじつ)

季語と俳句で日永春の日中は、日脚がのびて長く感じる。因みに、「短夜」は夏、「夜長」は秋、「日短」は冬の季語。
東京では、12月に16時半頃に日の入りしていたものが、3月下旬には18時をまわる。

万葉集には作者不詳の和歌で、

霞立つ春の永日を奥処なく 知らぬ山路を恋ひつつか来む

がある。

▶ 関連季語 遅日(春)

【日永の俳句】

飛べそうな気がする永き日の岬  五島高資

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|冴返る(さえかえる)

初春の季語 冴返る

冴返るの俳句と季語春先、暖かくなり始めた頃に急に寒さが戻ることがある。「寒の戻り」と言ったり「凍返る」と言ったりもする。関連季語に「余寒」がある。
和歌に由来する季語であり、藤原為家が

さえかへり山風あるる常盤木に 降りもたまらぬ春の沫雪

と歌っている。また謡曲八島に、「思いぞ出づる昔の春 月も今宵に冴えかえり」と、義経の幽霊が現れる。

【冴返るの俳句】

三日月はそるぞ寒はさえかへる  小林一茶
人に死し鶴に生れて冴え返る  夏目漱石

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|引鴨(ひきがも)

初春の季語 引鴨

鴨帰る(かもかえる)行く鴨(ゆくかも)

引鴨の俳句と季語冬鳥として渡ってきたマガモなどの鴨が、春になってロシア東部から極東にかけての北方へ帰っていく様を引鴨という。地域によって違いはあるが、3月頃が渡りのピークである。
ただし、マガモなどの渡りをする種類の鴨であっても、居残るものがあり、春に見られるものを「春の鴨」「残る鴨」、夏に見られるものを「通し鴨」という。

▶ 関連季語 鴨(冬)

【引鴨の俳句】

行く鴨にまことさびしき昼の雨  加藤楸邨
のこれるは荒波にをり鴨かへる  水原秋桜子

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|風車(かざぐるま)

三春の季語 風車

風車売(かざぐるまうり)

季語と俳句で風車俳句での「風車」は、玩具の風車であり、「かざぐるま」として春の季語となる。ただし、キンポウゲ科に「風車」の名を持つ花があり、「風車の花」で夏の季語となる。
その歴史は古く、既に平安時代にはあったと考えられ、中国でも「風車」と書くことから、渡来してきたものと考えられる。江戸時代には、新春の遊び道具の一つとなる。江戸雑司ヶ谷の鬼子母神で参拝みやげとして売られていたものは有名で、「玄英の雑司ヶ谷詣」として喜多川歌麿の浮世絵にもなっている。

【風車の俳句】

あたたかき風がぐるぐる風車  正岡子規
峠くだる子胸にくるくる風車  加藤楸邨
風背負ひ風車売去りにけり  石原八束

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|蛙(かわず・かえる)

三春の季語 

初蛙(はつかわず)・殿様蛙(とのさまがえる)・赤蛙(あかがえる)・土蛙(つちがえる)

殿様蛙脊椎動物亜門・両生綱・カエル目に分類される。古称は「かわず(かはづ)」であるが、これは主にその鳴き声を愛でるカジカガエルを指す言葉である。日本に見られる蛙の代表種に、ニホンアマガエルがいるが、「雨蛙」とした場合は夏の季語となる。また、「青蛙」「ひき蛙」「牛蛙」も夏の季語である。地中で冬眠するニホンアマガエルは、3月頃から11月頃まで活動する。春の季語とした場合は、休眠から覚めて、水辺で繁殖活動を始めた頃のものとなる。

万葉集には「かはづ」として20首が登場し、厚見王に

かはづ鳴く神奈備川に影見えて 今か咲くらむ山吹の花

があるように、カジカガエルの鳴き声を愛でる。平安時代になるとアマガエルとの混同がみられるようになり、現在に至る。江戸時代になって詠まれた松尾芭蕉の「古池や~」の句は、「不易流行」の代表句と捉えられ、現在につながる俳句の端緒になったとされることがある。ちなみにカジカガエルを指す「河鹿(かじか)」は、夏の季語である。
日本では「帰る」に掛けられることがあり、「お金がかえる」として、蛙に関するものを財布の中に入れておくと、財を成すと言われる。また、「井の中の蛙大海を知らず」「蛇に睨まれた蛙」「ゆで蛙」「蛙の子は蛙」など、蛙を使った多くの言葉が生まれている。

【蛙の俳句】

古池や蛙とびこむ水の音  松尾芭蕉
やせ蛙負けるな一茶これにあり  小林一茶

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|春日傘(はるひがさ)

晩春の季語 春日傘

季語と俳句で春日傘紫外線は、春から急に増えると言われ、日焼けの原因となる。また、気候が良いために外に出る機会も増え、春の日焼け対策は夏以上に重要だと言う者もいる。
日傘は夏の季語であるが、桜の咲く3月下旬になると、傘の花も咲き始める。傘をたたむ時に、浴びた花弁に気づくなどということも。

▶ 関連季語 日傘(夏)

【春日傘の俳句】

はなびらのごときをたたみ春日傘  片山由美子

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|春の蚊(はるのか)

晩春の季語 春の蚊

春蚊(はるか)初蚊(はつか)

季語 春の蚊の俳句「蚊」は夏の季語であるが、多い少ないこそあれ、蚊は年中みられる昆虫である。「春の蚊」といった場合には、主に「初蚊」のこと。卵で越冬したり、成虫で越冬したりしたものが気温の上昇とともに活動するもので、4月ころに見られる蚊のことである。屋内型昆虫「チカイエカ」などの、冬場でも大発生するその様はこの範疇に含まれず、活動初期の弱々しさを漂わせる季語である。

▶ 関連季語 蚊(夏)

【春の蚊の俳句】

春の蚊を叩きて力あまりけり  長谷川秋子

季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に 季語検索を簡単に

季語|桜草(さくらそう)

晩春の季語 桜草

プリムラ

桜草サクラソウ科サクラソウ属の多年草で、二ホンサクラソウとも。日本原産。4月の中旬から下旬にかけて開花する。学名の Primula(プリムラ)は、最初という意味の primos が語源。これは、ほかの花に先駆けて咲くことに由来している。
江戸時代、荒川に自生するサクラソウから本格的な栽培が始まった。愛好家である武士を中心にして、新品種の開発が進み、多くの品種が生み出された。それらは、「舞扇」「白蜻蛉」「美女の舞」などの名がつけられ、現在まで品評会が開催されている。
埼玉県さいたま市の「田島ヶ原サクラソウ自生地」は、国の特別天然記念物に指定されており、桜草公園では毎年「サクラソウまつり」が開催されている。

俳諧歳時記栞草には、春之部三月に分類され、和漢三才図会の引用で、「山谷の中に生ず。即九輪草の一類異種也。葉の形相似て微小し。辺りに鋸歯なし。甚光沢ならずして、葉の心白し。三四月、茎を抽んでて花を生ず。単の淡紫、或は白花。桜の花のごとく最艶美也。故に名づく。」とある。

【桜草の俳句】

桜草ひとりの窓に陽を余し  川辺多麻子

▶ 春の季語になった花 見頃と名所



日本桜草の鉢植え 2024春開花中
3300円(税込/送料別)
カード利用可・海外配送不可・翌日配送不可

【山野草と盆栽の専門店ヴェールモア】

【花の種類で選ぶ】日本桜草(ニホンサクラソウ)3号苗(g01)
550円(税込/送料別)
カード利用可・海外配送可能・翌日配送不可
耐寒性多年草のサクラソウ(宿根草)アンティークな花色が美しい
【千草園芸】