俳句検索結果(季語付き)



向うにも老人のゐる春の暮  石田勝彦 春の暮(春)
履きおろす地下足袋八十八夜かな  青柳志解樹 八十八夜(春)
時計屋の時計春の夜どれがほんと  久保田万太郎 春の夜(春)
春の夜のハンカチ人のため使ふ  岡本眸 春の夜(春)
晩春や草被せ火を消さんとす  友岡子郷 晩春(春)
カステラと聖書の厚み春深し  岩淵喜代子 春深し(春)
水いそぐ八十八夜の石濡らし  久保純夫 八十八夜(春)
山の木を鳴らし八十八夜来る  黛執 八十八夜(春)
噎びつつ春の夜の炉に仕へけり  辻桃子 春の夜(春)
春闌けてツーステップの烏かな  遠藤きよみ 春闌く(春)
竹箒暮春の空にただよふも  八田木枯 暮春(春)
春の夜や嘘をつく舌ねばっこく  小宅容義 春の夜(春)
春深き茶房来客日誌かな  飯島ユキ 春深し(春)
サイフォンの泡の小さき暮春かな  中村祐子 暮春(春)
春の日や手にして掃かぬ竹箒  岸本尚毅 春の日(春)
首長ききりんの上の春の空  後藤比奈夫 春の空(春)
ワープロにはるゆくと打ち春逝きぬ  鈴木鷹夫 行く春(春)
黒服の春暑き列上野出づ  飯田龍太 春暑し(春)
行く春や靴の中より海の砂  大島雄作 行く春(春)
春光や謎の外車がまへうしろ  三輪初子 春光(春)
手をあげて腋のありけり春の空  岡井省二 春の空(春)
教授大方闘争世代春暑し  大八木陽介 春暑し(春)
人も旅人われも旅人春惜しむ  山口青邨 春惜しむ(春)
亡き人の湯呑みと春の大空と  岩田由美 春の空(春)
句集世に出でよ黙視の春暑し  筑紫磐井 春暑し(春)
大いなる春日の翼垂れてあり  鈴木花蓑 春日(春)
春風や闘志抱きて丘に立つ  高浜虚子 春風(春)
年玉を並べて置くや枕もと  正岡子規(墨汁一滴) 年玉(新春)
から松は淋しき木なり赤蜻蛉  河東碧梧桐 赤蜻蛉(秋)
ひたひたと春の潮打つ鳥居かな  河東碧梧桐 春の潮(春)
三日月やこの頃萩の咲きこぼれ  河東碧梧桐 (秋)
鳥渡り明日はと望む山夏野  河東碧梧桐 夏野(夏)
鞍とれば寒き姿や馬の尻  河東碧梧桐 寒し(冬)
谷深うまこと一人や漆掻  河東碧梧桐 漆掻(夏)
螽飛ぶ草に蟷螂じつとして  河東碧梧桐 (秋)
木枯や谷中の道を塔の下  河東碧梧桐 木枯(冬)
春寒し水田の上の根なし雲  河東碧梧桐 春寒し(春)
旅にして昼餉の酒や桃の花  河東碧梧桐 桃の花(春)
草の花つれなきものに思ひけり  正岡子規(病牀六尺) 草の花(秋)
蔵持て農具もすずし温泉の宿  河東碧梧桐 すずし(夏)
春月や育ちざかりの杉檜  青柳志解樹 春月(春)
春の雲家禽のごとく尾長来る  角川源義 春の雲(春)
瀬戸内の島一つ欲し春の虹  大庭紫逢 春の虹(春)
晩禱にあらずたたずむ春夕焼  朔多恭 春夕焼(春)
滝音はひかりを含み春の雲  飯田龍太 春の雲(春)
武蔵野に大きな春の雲浮ぶ  森田峠 春の雲(春)
伊那谿のまつただ中や春の月  石寒太 春の月(春)
石蹴りの子とさやうなら春夕焼  笠間文子 春夕焼(春)
初恋のあとの永生き春満月  池田澄子 春満月(春)
表より裏口見ゆる春夕焼  佐藤秋水 春夕焼(春)
うすかりし春の虹なり消えにけり  五十嵐播水 春の虹(春)
水蒸気しきりに吐けば春の虹  和田悟朗 春の虹(春)
来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり  水原秋桜子(葛飾) 馬酔木咲く(春)
瀧落ちて群青世界とどろけり  水原秋桜子(帰心) (夏)
みちのくの町はいぶせき氷柱かな  山口青邨(ホトトギス) 氷柱(冬)
ある日妻ぽとんと沈め水中花  山口青邨 水中花(夏)
はなやかに沖を流るる落椿  山口青邨 落椿(春)
みちのくの雪深ければ雪女郎  山口青邨 雪女郎(冬)
外套の裏は緋なりき明治の雪  山口青邨 (冬)
祖母山も傾山も夕立かな  山口青邨 夕立(夏)
われが住む下より棺冬の雨  山口青邨 冬の雨(冬)
銀杏散るまつただ中に法科あり  山口青邨 銀杏散る(秋)
ゼンマイは椅子のはらわた黴の宿  山口青邨 (夏)
たんぽぽや長江濁るとこしなへ  山口青邨 たんぽぽ(春)
たんぽぽも地上のものとなる離陸  鷹羽狩行(狩) たんぽぽ(春)
たんぽぽの野を切りとりて来たる鉢  稲畑汀子 たんぽぽ(春)
たんぽぽの黄が揺れ飛機の着陸す  稲畑廣太郎(ホトトギス) たんぽぽ(春)
たんぽぽの花の仔細に着陸す  稲畑汀子(ホトトギス) たんぽぽ(春)
自転車に翼ある日よたんぽぽよ  坪内稔典 たんぽぽ(春)
たんぽぽや西の遥かにポルトガル  有馬朗人(苑) たんぽぽ(春)
たんぽぽの素通り風の野なりけり  稲畑汀子(ホトトギス) たんぽぽ(春)
又踏んでしまふたんぽぽたんぽぽ野  稲畑汀子(ホトトギス) たんぽぽ(春)
又の名を紫陽花寺と諾へり  稲畑汀子(ホトトギス) 紫陽花(夏)
紫陽花の今朝の色見て旅立ちぬ  稲畑汀子(ホトトギス) 紫陽花(夏)
まん丸に出れど永き春日哉  山崎宗鑑 春日(春)
手をついて歌申上る蛙哉  山崎宗鑑 (春)
さむくとも日になあたりそ雪仏  山崎宗鑑 雪仏(冬)
としくれて人ものくれぬこよひかな  山崎宗鑑 歳暮(冬)
風寒し破れ障子の神無月  山崎宗鑑 神無月(冬)
すずしさや水に柳の影法師  山崎宗鑑 すずし(夏)
牡丹百二百三百門一つ  阿波野青畝(紅葉の賀) 牡丹(夏)
山又山山桜又山桜  阿波野青畝(甲子園) 山桜(春)
さみだれのあまだればかり浮御堂  阿波野青畝(萬両) 五月雨(夏)
冬ざれや家根に煙出しのないがしろ  阿波野青畝 冬ざれ(冬)
秋雨や山あきらかに京の町  阿波野青畝 秋雨(秋)
生駒より峰山高し麦刈れば  阿波野青畝 麦刈(夏)
石に狂うて深き轍や末がるる  阿波野青畝 末枯れ(秋)
ひつぱれる糸まつすぐや甲虫  高野素十 甲虫(夏)
七種や跡にうかるゝ朝がらす  宝井其角 七種(新春)
方丈の大庇より春の蝶  高野素十(初鴉) (春)
繭玉や夕はやけれど灯しけり  高野素十 繭玉(新春)
くもの糸ひとすぢよぎる百合の前  高野素十 百合(夏)
小説を立てならべたる上に羽子  高野素十 羽子(新春)
甘草の芽のとびとびのひとならび  高野素十(ホトトギス) 甘草(夏)
空をゆく一とかたまりの花吹雪  高野素十 花吹雪(春)
元日は大吹雪とや潔し  高野素十 元日(新春)
年酒酌むふるさと遠き二人かな  高野素十 年酒(新春)
翅わつててんたう虫の飛びいづる  高野素十 てんたう虫(夏)
づかづかと来て踊子にささやける  高野素十 踊子(秋)
薮入の母の焚く炉の煙たさよ  高野素十 (冬)