俳句

俳句検索結果(季語付き)



鍵盤に放つフォルテや新樹光  船越和音 新樹(夏)
神さびの常磐木落葉昼くらし  宮川富美子 常磐木落葉(夏)
足摺の椿ばかりの夏落葉  丸山しげる 夏落葉(夏)
舞殿の屋根を滑りて夏落葉  田中裕明 夏落葉(夏)
夏草の匂ひ残して刈られけり  角皆美代子 夏草(夏)
燈台へ夏草の丈揃ひけり  安立公彦 夏草(夏)
草いきれしづかに草のたたかへり  吉野知子 草いきれ(夏)
旅びとの日かげにやすむ花みかん  長谷川櫂 蜜柑の花(夏)
花蜜柑匂ひ夜の潮みつるなり  椎木嶋舎 蜜柑の花(夏)
曇り日の匂ひ満ちくる花蜜柑  藤田栄子 蜜柑の花(夏)
山々に麓ありけり桐の花  小島健 桐の花(夏)
桐咲くや泣かせて締むる博多帯  西嶋あさ子 桐咲く(夏)
桐の花らしき高さに咲きにけり  西村和子 桐の花(夏)
栗の花咲きいづるより古びけり  大野林火 栗の花(夏)
花栗や夢のなごりの盗汗拭く  福永耕二 栗の花(夏)
栗咲く香死ぬまで通すひとり身か  菖蒲あや 栗咲く(夏)
泰山木樹頭の花を日に捧ぐ  福田蓼汀 泰山木の花(夏)
泰山木二階の窓へ人寄せて  高井去私 泰山木の花(夏)
あけぼのや泰山木は蝋の花  上田五千石 泰山木の花(夏)
純白はひと日泰山木の花  小笠原ツギ 泰山木の花(夏)
終りつゝある朴の花なほ匂ふ  高浜年尾 朴の花(夏)
三つ咲いて空を占めたる朴の花  岸田稚魚 朴の花(夏)
山中の宴のごとく朴ひらく  脇祥一 朴の花(夏)
深爪のうづく卯の花月夜かな  佐野美智 卯の花(夏)
卯の花に母の写真の古りにけり  石田郷子 卯の花(夏)
山卯木雲より白きマリア像  島村あや子 山卯木(夏)
白牡丹空気ゆすらぬやうに剪る  北村仁子 白牡丹(夏)
牡丹の茎しなやかに花支ふ  加藤耕子 牡丹(夏)
夕風の出て牡丹の立ち上る  棚山波朗 牡丹(夏)
薔薇くづれ真昼のくらさひろがりぬ  西野晴子 薔薇(夏)
薔薇食べるなら血の色の花がよし  能村登四郎 薔薇(夏)
薔薇の香が今ゆき過ぎし人の香か  星野立子 薔薇(夏)
かたまつて雨が降るなり著莪の花  清崎敏郎 著莪の花(夏)
くらがりに来てこまやかに著莪の雨  山上樹実雄 著莪の花(夏)
新しき柄杓が置かれ著莪の花  川崎展宏 著莪の花(夏)
あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ  橋本多佳子 紫陽花(夏)
あぢさゐをびいどろ色の雨つつむ  高沢良一 紫陽花(夏)
紫陽花や白よりいでし浅みどり  渡辺水巴 紫陽花(夏)
こんこんと水は流れて花菖蒲  臼田亞浪 花菖蒲(夏)
白菖蒲剪つてしぶきの如き闇  鈴木鷹夫 菖蒲(夏)
はなびらの垂れて静かや花菖蒲  高浜虚子 花菖蒲(夏)
芍薬の珠揺れ窯の口暗し  川口之子 芍薬(夏)
芍薬のはなびらおつるもろさかな  久保田万太郎 芍薬(夏)
嫁ぐ日の芍薬金の蘂を秘め  波戸岡旭 芍薬(夏)
十薬の花の盛りといふでもなく  行方克巳 十薬(夏)
十薬や裏口沈みゆくごとし  岩月通子 十薬(夏)
十薬のまぬがれ難き十字咲く  加倉井秋を 十薬(夏)
山梔子の花びらに刷くうすみどり  雨宮能子 梔子の花(夏)
くちなしの闇より匂ふ裏戸口  水島ユキ 梔子の花(夏)
くちなしの花びら汚れ夕間暮  後藤夜半 梔子の花(夏)
鈴蘭に米粒ほどの青莟  藺草慶子 鈴蘭(夏)
枕辺に鈴蘭手術前夜なり  品川鈴子 鈴蘭(夏)
すずらんの小鈴ふれあふ程の風  宮野尚子 鈴蘭(夏)
酒のめばいとど寝られぬ夜の雪  松尾芭蕉 (冬)
椹や花なき蝶の世捨酒  松尾芭蕉 桑の実(夏)
水枕ガバリと寒い海がある  西東三鬼(旗) 寒し(冬)
家継がぬ拳穂麦に触れてゆく  宮本澄 (夏)
麦熟れてあたたかき闇充満す  西東三鬼 (夏)
晩年や黒穂の黒に指染まり  加倉井秋を 麦の黒穂(夏)
やはらかな蕗の畑に分け入りぬ  長谷川櫂 (夏)
蕗を煮て人の離反を諾へり  西嶋あさ子 (夏)
蕗を煮る柱時計の音の中  武藤紀子 (夏)
蕗の葉に真昼の重さありにけり  倉田紘文 蕗の葉(夏)
筍や雨雲朱を含みたる  長谷川櫂 (夏)
筍の光放つてむかれけり  渡辺水巴 (夏)
竹の子の小さければ吾子かがみこむ  大串章 竹の子(夏)
たかんなの一日の長ゆづらざる  八染藍子 たかんな(夏)
ぬきんでて虚空さみしき今年竹  小林康治 今年竹(夏)
竹皮を脱ぐひとときの無風かな  桂信子 竹の皮脱ぐ(夏)
若竹や空の深きへ眼を誘ひ  山口速 若竹(夏)
梅の実を落すも神事天満宮  小林鳳円 梅の実(夏)
青梅の一つが見えてあまた見ゆ  岡本圭岳 青梅(夏)
青梅の臀うつくしくそろひけり  室生犀星 青梅(夏)
青梅の最も青き時の旅  細見綾子 青梅(夏)
さくらんぼさざめきながら量らるる  成瀬櫻桃子 さくらんぼ(夏)
一つづつ灯を受け止めてさくらんぼ  右城暮石 さくらんぼ(夏)
笑窪とてひとつは淋しさくらんぼ  清水衣子 さくらんぼ(夏)
枇杷の種こつんころりと独りかな  角川照子 枇杷(夏)
枇杷の種つるりと二男一女かな  橋閒石 枇杷(夏)
紙の上に落ちて濃くなる枇杷の汁  田川飛旅子 枇杷(夏)
誤診やも知れず苺をつぶしをり  三村紘司 (夏)
苺喰むふつふつと湧く詩の言葉  今井山朗 (夏)
水の中指やはらかく苺洗ふ  大橋敦子 (夏)
瓜畑に灯をこぼしゆく夜汽車かな  奥坂まや 瓜畑(夏)
瓜貰ふ太陽の熱さめざるを  山口誓子 (夏)
冷し瓜ぶつかり合つて浮きにけり  小島健 (夏)
夕刊を読むそら豆の茹だるまで  木内怜子 蚕豆(夏)
そら豆はまことに青き味したり  細見綾子 蚕豆(夏)
父と子のはしり蚕豆とばしたり  石川桂郎 蚕豆(夏)
初なすび水の中より跳ね上がる  長谷川櫂 なすび(夏)
採る茄子の手籠にきゆァとなきにけり  飯田蛇笏 茄子(夏)
妻呼ぶに今も愛称茄子の花  辻田克巳 茄子の花(夏)
大原の日暮れをはやむ紫蘇畑  きくちつねこ 紫蘇(夏)
雑草に交らじと紫蘇匂ひたつ  篠田悌二郎 紫蘇(夏)
紫蘇もんで生命線をくれなゐに  代田喜久 紫蘇(夏)
めざめれば鷺草ひとつ咲いて待つ  澁谷道 鷺草(夏)
さぎ草の鷺の嘴さへきざみ咲く  皆吉爽雨 鷺草(夏)
鷺草の翼張りつめどほしかな  新井きよし 鷺草(夏)
逢ひたくて蛍袋の灯をともす  岩淵喜代子 蛍袋(夏)
蛍袋に指入れて人悼みけり  能村登四郎 蛍袋(夏)