ほたるぶくろ重たき光ひとつづゝ 山田みづえ 蛍袋(夏)玫瑰の夜明けはいつも船の音 原田青児 玫瑰(夏)玫瑰に触れゆきて旅はじまりぬ 今井杏太郎 玫瑰(夏)玫瑰や裏口に立つ見知らぬ子 中村苑子 玫瑰(夏)玫瑰や風に色づく利尻富士 戸恒東人 玫瑰(夏)はまなすや親潮と知る海のいろ 及川貞 玫瑰(夏)献花いま百合の季節や原爆碑 後藤比奈夫 百合(夏)鉄砲百合己が白さに疲れ居り 山本艶 鉄砲百合(夏)指さしてわがものとする崖の百合 橋本美代子 百合(夏)ためてゐし言葉のごとく百合ひらく 稲垣きくの 百合(夏)神田川祭の中をながれけり 久保田万太郎(草の丈) 祭(夏)●なかぞらのまだ濡れてゐる合歓の花 山科帰雁 合歓の花(夏)夕空に日はありながら合歓の花 落合水尾 合歓の花(夏)母の背で見し記憶あり合歓の花 大久保武司 合歓の花(夏)大雨のあと浜木綿に次の花 飴山實 浜木綿(夏)雲よりも白き帆船浜木綿咲く 小島花枝 浜木綿(夏)燈台の白まぶしかり浜おもと 佐藤牧羊 浜おもと(夏)ある時は罌粟の赤きを憎みけり 野見山ひふみ 罌粟の花(夏)芥子坊主まだ花びらをつけてをり 岩田由美 芥子坊主(夏)かたはらにいつも妹芥子の花 今井和子 芥子の花(夏)芥子の花裏返す風起こりけり 西村和子 芥子の花(夏)夕菅の風通ひ来る司祭館 足立靖子 夕菅(夏)離れゆく青佐渡も黄花萱草も 文挾夫佐恵 黄花萱草(夏)日光黄菅咲く頂上へ霧荒し 宗瑞志 黄菅(夏)月見草つぼむ力のありにけり 大木あまり 月見草(夏)魚籠の中しづかになりぬ月見草 今井聖 月見草(夏)目隠しのその掌の記憶月見草 伊藤敬子 月見草(夏)浜昼顔風に囁きやすく咲く 野見山朱鳥 浜昼顔(夏)昼顔や捨てらるるまで櫂痩せて 福永耕二 昼顔(夏)ひるがほに電流かよひゐはせぬか 三橋鷹女 昼顔(夏)こころ足る日は遠出せず花葵 福永耕二 葵(夏)葵咲き山雨たばしる立石寺 鈴木昌三 葵(夏)雨脚のいきなりみえて立葵 上田操 立葵(夏)そのあとも船酔ひすこし立葵 小原啄葉 立葵(夏)向日葵やゴッホの狂気われに無し 田尻牧夫 向日葵(夏)向日葵の群れ立つは乱ある如し 大串章 向日葵(夏)向日葵の一茎一花咲きとほす 津田清子 向日葵(夏)喪の席にゐて向日葵を見てゐたり 保坂敏子 向日葵(夏)己が開く力に揺れて月下美人 橋本風車 月下美人(夏)見せてもらふ月下美人とひとの妻 渡辺鮎太 月下美人(夏)月下美人たまゆらの香の満ちにけり 深見けん二 月下美人(夏)どの家か電話鳴り出す百日紅 長谷川櫂 百日紅(夏)採血や雨後なほ燃えて百日紅 楠本憲吉 百日紅(夏)短き世ひたすらに白さるすべり 清水径子 百日紅(夏)二階より見えて夜明けの夾竹桃 菖蒲あや 夾竹桃(夏)鉄棒を握れば熱し夾竹桃 大嶽青児 夾竹桃(夏)夾竹桃運河一本鉄のごと 永方裕子 夾竹桃(夏)夾竹桃かかる真昼もひとうまる 篠田悌二郎 夾竹桃(夏)すこしづつ時計のくるふ凌霄花 三田きえ子 凌霄花(夏)凌霄やギリシャに母を殺めたる 矢島渚男 凌霄花(夏)凌霄やま昼の音のみな遠き 町野けい子 凌霄花(夏)漣の吸ひ込まれゆく未草 西村和子 未草(夏)遠ざかるほど白蓮の深き白 辻恵美子 白蓮(夏)睡蓮の花の布石のゆるがざる 木内彰志 睡蓮(夏)睡蓮の水に二時の日三時の日 後藤比奈夫 睡蓮(夏)鬼蓮のまだいとけなき浮葉かな 杉浦東雲 鬼蓮(夏)鑑真の寺純白の蓮開く 倉持嘉博 蓮(夏)萍の裏はりつめし水一枚 福永耕二 萍(夏)萍の覆ひし水の深さかな 武内エイ子 萍(夏)雨ならず萍をさざめかすもの 富安風生 萍(夏)河骨の水持ち上げて咲きにけり 鮫島徳子 河骨(夏)河骨の花に瞳のありにけり 武田金子 河骨(夏)河骨の水の幽さに灯りけり 小松世史子 河骨(夏)影つねに水に流され水芭蕉 木内怜子 水芭蕉(夏)歩いても歩いてもまだ水芭蕉 菖蒲幸子 水芭蕉(夏)水芭蕉たましひ抜けて漂へり 東篠素香 水芭蕉(夏)黴の堂木喰仏のみな笑ふ 早野和子 黴(夏)「三太郎の日記」も黴の書となれり 湯沢遙子 黴(夏)パンのみに生きるに非ずパンに黴 黒川恭子 黴(夏)頂上や殊に野菊の吹かれ居り 原石鼎(ホトトギス) 野菊(秋)●淋しさに又銅鑼打つや鹿火屋守 原石鼎 鹿火屋(秋)松朽ち葉かゝらぬ五百木無かりけり 原石鼎 朽葉(冬)音もなく歩くお方や城の秋 岸本尚毅 秋(秋)此石に秋の光陰矢のごとし 川端茅舎 秋(秋)艪の音のしづかな秋となりにけり 長谷川櫂 秋(秋)初秋のまひるまぶしき皿割りぬ 桂信子 初秋(秋)鎌倉をぬけて海ある初秋かな 飯田龍太 初秋(秋)新秋や清き魚飼ふ奥出湯 三浦亜紀子 新秋(秋)秋立つと酒田の雨を聴くばかり 黒田杏子 秋立つ(秋)立秋や雲の上行く雲とほく 鈴木真砂女 立秋(秋)立秋の釘浮く渡り廊下かな 三森鉄治 立秋(秋)眼中の塔に近づく秋のくれ 脇祥一 秋の暮(秋)渚まで砂深く踏む秋の暮 清水径子 秋の暮(秋)しばらくを式服のまま秋の暮 山崎ひさを 秋の暮(秋)風呂敷をひろげ過ぎたる秋の暮 橋閒石 秋の暮(秋)秋の暮比叡へ帰る人のあり 金子青銅 秋の暮(秋)点滴の一滴づつの秋の暮 草間時彦 秋の暮(秋)かたちなきものまで暮れて秋の暮 八田木枯 秋の暮(秋)木も人も似し影をもち秋の暮 神尾季羊 秋の暮(秋)それとなく御飯出てくる秋彼岸 攝津幸彦 秋彼岸(秋)秋彼岸河の浅瀬に鳥とゐる 栗林千津 秋彼岸(秋)地の罅によべの雨滲む秋彼岸 岡本眸 秋彼岸(秋)人は灯をかこみて後の彼岸かな 三田きえ子 後の彼岸(秋)のぼり来て処暑の涸瀧仰ぐなり 島谷征良 処暑(秋)嶺聳ちて秋分の闇に入る 飯田龍太 秋分(秋)秋分のユトリロを見て嗣治見て 児仁井しどみ 秋分(秋)八月の雨あらあらし白馬村 星野麥丘人 八月(秋)燃やし継ぐこの八月の夏の記憶 寺井谷子 八月(秋)八月祈るために並びしパイプ椅子 出口善子 八月(秋)奔放に雲をぬぎすて葉月富士 宮下翠舟 葉月(秋)
俳句検索結果(季語付き)
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