俳句検索結果（季語付き）

冬支度鷗もとほる村の空　　大峯あきら　冬支度（秋）
越してゆくところもなくて冬支度　　樋口ただし　冬支度（秋）
一本の竹さわがせて伐りにけり　　加藤三七子　竹伐る（秋）
かぐや姫眠れる竹は伐らでおく　　渡辺恭子　竹伐る（秋）
竹を伐る音さえざえと一寺昏れ　　保坂加津夫　竹伐る（秋）
種採るや洗ひざらしのものを着て　　波多野爽波　種採り（秋）
大根蒔く短き影をそばに置き　　加倉井秋を　大根蒔く（秋）
秋蒔きの花種を購ふ旅の町　　本宮哲郎　秋蒔（秋）
稲刈のたけなはにして野はしづか　　軽部烏頭子　稲刈（秋）
稲刈の女のむかし尻高々　　宇多喜代子　稲刈（秋）
稲架を組む夫婦夕焼雲に乗り　　本宮哲郎　稲架（秋）
案山子翁風に吹かるるものまとひ　　大橋敦子　案山子（秋）
破れ案山子人間ばなれしてきたる　　石田郷子　案山子（秋）
鳥威夜の光得てひかるなり　　右城暮石　鳥威（秋）
落柿舎の添水去来は墓で聞く　　里川水章　添水（秋）
添水鳴る遠ざかり来てあきらかに　　清崎敏郎　添水（秋）
二つ目をきけばたしかにばつたんこ　　茨木和生　ばつたんこ（秋）
藁塚の少しかたむく嘆きかな　　青柳志解樹　藁塚（秋）
新藁や永劫太き納屋の梁　　芝不器男　新藁（秋）
今年藁白峰村の田に返す　　高村俊子　今年藁（秋）
人信じ難き夜なべを励みけり　　松本澄江　夜なべ（秋）
夜なべ妻一羽の鶴となりゆくも　　神谷青楓　夜なべ（秋）
夜なべするや舌切雀の鋏鳴らし　　鈴木栄子　夜なべ（秋）
検察庁の一室灯る夜業かな　　高木三余子　夜業（秋）
月山の見ゆと芋煮てあそびけり　　水原秋桜子　芋煮（秋）
第三の鍋煮えくるぞ芋煮会　　辻桃子　芋煮会（秋）
芋子汁振り向くたびに地蔵岳　　草間時彦　芋子汁（秋）
絶壁の下のみちゆく紅葉狩　　西村麦風　紅葉狩（秋）
水音と即かず離れず紅葉狩　　後藤比奈夫　紅葉狩（秋）
この先はいかなる処紅葉狩　　星野立子　紅葉狩（秋）
蘆刈女見えず蘆刈り進むかな　　松本峰春　蘆刈（秋）
蘆刈の風を大きく刈り伏せて　　須原和男　蘆刈（秋）
ぼうぼうと葦を燃やして凡夫なり　　内田日出子　蘆火（秋）
頼りなき菊人形と別れけり　　秋元不死男　菊人形（秋）
菊人形武士の匂ふはあはれなり　　鈴木鷹夫　菊人形（秋）
菊人形泣き入る声のなかりけり　　西島麦南　菊人形（秋）
落日へひびかふ瀬音下り簗　　朝山美謝子　下り簗（秋）
流れ藻にまじる花葛下り簗　　沢木欣一　下り簗（秋）
魚の屍の淀みに沈む崩れ簗　　高橋悦男　崩れ簗（秋）
本物に負けぬ月出て村芝居　　田中千鶴子　村芝居（秋）
地芝居の子別れ母をまた泣かす　　橋本五月　地芝居（秋）
地芝居の見せ場に台詞盗み見て　　加地芳女　地芝居（秋）
いくたびも月にのけぞる踊かな　　加藤三七子　踊（秋）
踊りへと誘ふ踊りの輪をくづし　　柴田佐知子　踊（秋）
踊る輪の暗きところを暗く過ぎ　　鷹羽狩行　踊（秋）
遅れ着く宿や秋思の顔迎ふ　　大牧広　秋思（秋）
雲海に紫にじむ秋意かな　　富安風生　秋意（秋）
ことごとく秋思十一面観音　　鷹羽狩行　秋思（秋）
抱へゆく金管楽器体育の日　　西沢勝也　体育の日（秋）
体育の日婆の腰にもバネ生えて　　杏田朗平　体育の日（秋）
体育の日雀らも遠出して　　樋笠文　体育の日（秋）
敬老の日のどの席に座らうか　　吉田松籟　敬老の日（秋）
白寿まで保証付きよと敬老日　　金原冬子　敬老の日（秋）
老人の日といふ嫌な一日過ぐ　　右城暮石　老人の日（秋）
終戦日妻子入れむと風呂洗ふ　　秋元不死男　終戦日（秋）
海原に父のまぼろし終戦日　　遠藤若狭男　終戦日（秋）
木々のこゑ石ころのこゑ終戦日　　鷹羽狩行　終戦日（秋）
万巻の書のひそかなり震災忌　　中村草田男　震災忌（秋）
聞き伝へ語りつたへて震災忌　　星野立子　震災忌（秋）
木より木へ風の耳うち震災忌　　矢島久栄　震災忌（秋）
梶の葉の文字瑞々と書かれけり　　橋本多佳子　梶の葉（秋）
七夕の子の前髪を切りそろふ　　大野林火　七夕（秋）
七夕や暗がりで結ふたばね髪　　村上鬼城　七夕（秋）
七夕の竹青天を揺らし伐る　　原裕　七夕（秋）
星合の夜の薄雲の流れけり　　藤木倶子　星合（秋）
草負うて男もどりぬ星祭　　石田波郷　星祭（秋）
天上の恋をうらやみ星祭　　高橋淡路女　星祭（秋）
天ざかる鄙に住みけり星祭　　相馬遷子　星祭（秋）
重陽や夕べには木にもどる鳥　　宇佐美魚目　重陽（秋）
重陽の山里にして不二立てり　　水原秋桜子　重陽（秋）
逢ふための別れと思ふ菊の酒　　藤木倶子　菊の酒（秋）
髪よりも吹かれやすくて愛の羽根　　片山由美子　愛の羽根（秋）
若ければ胸高く挿す愛の羽根　　池田秀水　愛の羽根（秋）
赤い羽根つけらるる待つ息とめて　　阿波野青畝　赤い羽根（秋）
貧乏といはるる器用文化の日　　藤岡玲　文化の日（秋）
叙勲の名一と眺めして文化の日　　深見けん二　文化の日（秋）
勲章に縁なく生きて文化の日　　坪池律子　文化の日（秋）
家の中まで盂蘭盆の澄むひかり　　廣瀬直人　盂蘭盆（秋）
むらさきになりゆく墓に詣るのみ　　中村草田男　墓詣（秋）
濡らしたるため父の墓去り難し　　橋本美代子　墓洗ふ（秋）
わが影に母入れてゆく墓参り　　遠藤若狭男　墓参り（秋）
盆僧の風をはらみて過ぎにけり　　舘岡沙緻　盆僧（秋）
あけがたの風に倒るる瓜の馬　　山田みづえ　瓜の馬（秋）
ひとり来て秋の祭の簗を守る　　五十崎古郷　秋祭（秋）
秋祭桶に跳ねたる田鮒かな　　伊藤伊那男　秋祭（秋）
山霧は晴をいざなふ秋祭　　茨木和生　秋祭（秋）
時代祭ほたほたかなし馬の糞　　きくちつねこ　時代祭（秋）
茶道具の一荷も時代祭かな　　岸風三樓　時代祭（秋）
耳門より時代祭の馬帰る　　志賀松声　時代祭（秋）
行く道のままに高きに登りけり　　富安風生　高きに登る（秋）
登高や浪ゆたかなる瀬戸晴れて　　村山古郷　登高（秋）
高くしていよよ高きに登る人　　鷹羽狩行　高きに登る（秋）
迎へ火や海のあなたの幾柱　　加藤楸邨　迎へ火（秋）
門火焚き終へたる闇にまだ立てる　　星野立子　門火（秋）
門川にうつる門火を焚きにけり　　安住敦　門火（秋）
角伐られ鹿貫禄を失はず　　藤田柊車　角切（秋）
鹿寄せの喇叭夕べは長く吹く　　後藤比奈夫　鹿寄せ（秋）
起きあがる牡鹿もう角伐られゐて　　右城暮石　角切（秋）
糸瓜忌や俳諧帰するところあり　　村上鬼城　糸瓜忌（秋）
いつも忌に横顔の子規老いし子規　　山口誓子　子規忌（秋）