俳句検索結果（季語付き）

幾日はも青海原の圓心に　　篠原鳳作
甲板と水平線とのあらきシーソー　　篠原鳳作
短夜や我にはながき夢さめぬ　　横井也有　短夜（夏）
風吹いて蝶々迅く飛びにけり　　高野素十　蝶々（春）
初蝶にかたまり歩く人数かな　　高野素十　初蝶（春）
ひとならび甘草の芽の明るさよ　　高野素十　甘草（夏）
初雁やあれ棹になり枷になり　　竹内玄玄一　初雁（秋）
田の水の水になりけり秋の風　　竹内玄玄一　秋の風（秋）
人ばかり死ねとはをかし花の春　　竹内玄玄一　春（春）
牽牛花やしぼめば又の朝ぼらけ　　竹内玄玄一　牽牛花（秋）
ながむる月にたちぞうかるゝ　　宗祇　月（秋）
もしあらば雪女もや白うるり　　末吉道節　雪女（冬）
水に落し椿の氷る余寒かな　　高井几董　余寒（春）
残り少なに余寒もものゝなつかしき　　正岡子規　余寒（春）
襟巻の浅黄に残る寒さかな　　与謝蕪村　残る寒さ（春）
月はみだぼさつや二十御来迎　　藤谷貞兼　月（秋）
秋の日のいらいら寒しやいと花　　藤谷貞兼　秋の日（秋）
この一句衆議判なし木がらし野　　岸本調和　凩（冬）
春の日や達摩大師も尻もだえ　　岸本調和　春の日（春）
ひととせの心びやうしは薺かな　　志村無倫　薺（新春）
すはさらば水より水へゆきの道　　志村無倫　雪（冬）
萱原にをしや捨ておく露の玉　　田捨女　露（秋）
雑煮煮や千代の数かく花がつを　　田捨女　雑煮（新春）
うき中に馴れて雪間の嫁菜かな　　田捨女　雪（冬）
粟の穂やみは数ならぬ女郎花　　田捨女　女郎花（秋）
日ぐらしやすてて置いても暮るる日を　　田捨女　蜩（秋）
艸よ木よ汝に示すけさの露　　田捨女　露（秋）
一升や九月九日使菊　　田捨女　菊の酒（秋）
海暮れてキヤムプの尖り目には立たぬ　　山口誓子　キャンプ（夏）
あさがほのはじめて散るも哀也　　岡村不卜　朝顔（秋）
物すごく男ばかりの田植かな　　岡村不卜　田植（夏）
花は風にちぎれたれども鎧草　　岡村不卜　鎧草（夏）
ほととぎす鳴く音や古き硯箱　　松尾芭蕉　時鳥（夏）
下萌えもいまだ那須野の寒さかな　　広瀬惟然　下萌（春）
下萌ゆと思ひそめたる一日かな　　松本たかし　下萌（春）
痩身に食後のほてり下萌ゆる　　香西照雄　下萌（春）
草萌やちゝはゝ一つ墓に栖み　　安住敦　草萌（春）
まん丸に草青みけり堂の前　　小林一茶　草青む（春）
酒尽きてしんの座につく月見かな　　小林一茶　月見（秋）
春雨や食はれ残りの鴨が啼く　　小林一茶　春雨（春）
鳶の巣と知れて梢は鳶の声　　立花北枝　鳶の巣（春）
立仕事坐仕事や浜遅日　　松本たかし　遅日（春）
門の辺に浪見に出でし遅日かな　　吉田冬葉　遅日（春）
黒板の遅日の文字の消し残し　　中村汀女　遅日（春）
この庭の遅日の石のいつまでも　　高浜虚子　遅日（春）
遅き日のつもりて遠きむかし哉　　与謝蕪村　遅日（春）
暮かねてとぶものを見ず蝶の後　　篠田悌二郎　暮かぬる（春）
丸にのゝ字の壁見えて暮遅き　　小林一茶　暮遅し（春）
夕永き空につづける道くらし　　篠原梵　夕永し（春）
三度炊きて遅日まだある大寺哉　　前田普羅　遅日（春）
とく出でてまた乙みせよ花の兄　　天野桃隣　花の兄（春）
淡雪や氷あとなき湖の上　　河東碧梧桐　淡雪（春）
春雪三日祭りの如く過ぎにけり　　石田波郷　春雪（春）
春雪に面あぐれば鷹が峯　　前田普羅　春雪（春）
湯屋まではぬれて行けり春の雪　　小西来山　春の雪（春）
春の雪霏々として又降つて来る　　正岡子規　春の雪（春）
春の雪地祭り唄にかかるかな　　小林一茶　春の雪（春）
松よりも椿に残る春の雪　　高浜虚子　春の雪（春）
此団居凡兆の居ぬ寒さかな　　内藤鳴雪　寒さ（冬）
心から雪うつくしや西の雲　　小杉一笑　雪（冬）
いそがしや野分の空の夜這星　　小杉一笑　野分（秋）
火とぼして幾日になりぬ冬椿　　小杉一笑　冬椿（冬）
悲と魂でゆくきさんじや夏の原　　葛飾北斎　夏の原（夏）
八の字のふんばり強し夏の富士　　葛飾北斎　夏（夏）
草の葉や足のをれたる蛩　　山本荷兮　きりぎりす（秋）
終に行く道はいづくぞ花の雲　　市原多代女　花の雲（春）
負た子の寝顔に似たり花菫　　市原多代女　菫（春）
此うえに又としよらん初時雨　　市原多代女　初時雨（冬）
水嵩に車はげしや藤の花　　市原多代女　藤（春）
薮畑や穂麦にとどく藤の花　　宮崎荊口　藤（春）
花と見し雪はきのうぞもとの水　　越谷吾山　雪（冬）
出る日の旅のころもやはつかすみ　　越谷吾山　初霞（新春）
見定めるうちに飛けりかんこ鳥　　越谷吾山　閑古鳥（夏）
いたづらに舟をまたせて涼み床　　越谷吾山　涼み床（夏）
小酒屋の出現したり春の山　　小林一茶　春の山（春）
家ありや牛引帰る春の山　　正岡子規　春の山（春）
春の山窓から見ても時うつる　　桜井梅室　春の山（春）
春山にかの襞は斯くありしかな　　中村草田男　春山（春）
雁ゆきてべつとりあをき春の嶺　　飯田蛇笏　春嶺（春）
筆取てむかへば山の笑ひけり　　大島蓼太　山笑ふ（春）
山笑ひ人群衆する御寺かな　　高浜虚子　山笑ふ（春）
伐口の大円盤や山笑ふ　　阿波野青畝　山笑ふ（春）
木がらしに思ひたちけり神の旅　　曲亭馬琴　神の旅（冬）
春の野や何に人行き人帰る　　正岡子規　春の野（春）
起ふしに眺る春の野山かな　　高桑闌更　春の野（春）
春の野は気の広うなる初めかな　　杉山杉風　春の野（春）
赤幣をかざせば春野濃かりけり　　細見綾子　春野（春）
ゆふだちに思ひ切つたる野中かな　　白井鳥酔　夕立（夏）
一ツ家の灯を中にして時雨かな　　白井鳥酔　時雨（冬）
濃きうすき雲を待ち得てほとゝぎす　　白井鳥酔　時鳥（夏）
松風も骨になったる寒さかな　　白井鳥酔　寒さ（冬）
あぢさゐのかはりはてたる思ひかな　　加舎白雄　紫陽花（夏）
夢に見れば死もなつかしや冬木風　　富田木歩（定本木歩句集）　冬木（冬）●
死にさうな人ひとりなし花の山　　祇徳　花（春）
衣更その日の空にまかすべし　　祇徳　衣更（夏）
五月雨のふりし徒然ばなしかな　　祇徳　五月雨（夏）
鶯やあまりにめでてこぼれ梅　　祇徳　鶯（春）
空さえてもと来し道を帰るなり　　祇徳　冴え（冬）
契りおく松やいくとせ若緑　　中村敲石　若緑（春）
こがらしに二日の月の吹きちるか　　山本荷兮　凩（冬）