俳句検索結果（季語付き）

太閤が睨みし海の霞哉　　青木月斗　霞（春）
出雲路の神在月となりしかな　　村山古郷　神在月（冬）
麦秋の中なるが悲し聖廃墟　　水原秋桜子　麦秋（夏）
夏の河赤き鉄鎖のはし浸る　　山口誓子　夏の河（夏）
海地獄美し春の湖より　　高野素十　春の湖（春）
地球儀と南瓜と柿本人麿と　　山口青邨　南瓜（秋）
鶺鴒がたたいて見たる南瓜かな　　小林一茶　南瓜（秋）
朝な朝な南瓜を撫しに出るばかり　　日野草城　南瓜（秋）
まづ煮立つふぐのしらこを箸にせよ　　角川源義　河豚（冬）
地に垂りていよいよあをきさくらかな　　角川春樹　桜（春）
熔岩に秋風の吹きわたりけり　　高浜虚子　秋風（秋）
秋の航一大紺円盤の中　　中村草田男　秋（秋）
蛍獲て少年の指緑なり　　山口誓子　蛍（夏）
隠岐やいま木の芽をかこむ怒濤かな　　加藤楸邨　木の芽（春）
夏草に汽罐車の車輪来て止る　　山口誓子　夏草（夏）
夏河を越すうれしさよ手に草履　　与謝蕪村　夏河（夏）
熔岩の上を跣足の島男　　高浜虚子　跣足（夏）
茶が咲いていちばん遠い山が見え　　大峯あきら　茶の花（冬）
帰る雁田毎の月の曇る夜に　　与謝蕪村　帰雁（春）
杜若父の山より母の水　　加藤燕雨　杜若（夏）
野火悲し十国峠越ゆる夜を　　加藤かけい　野火（春）
死ぬるとも鬼の名のつくやんまかな　　角川春樹　鬼やんま（秋）
霜柱ほそくからびたる日影かな　　岡西惟中　霜柱（冬）
奥深きその情けこそ寒づくり　　西山宗因　寒造（冬）
のり出して日輪ゆらぐ寒造　　平畑静塔　寒造（冬）
並蔵はひびきの灘や寒作り　　宝井其角　寒造（冬）
盞の数をつくして年酒かな　　青木月斗　年酒（新春）
雪見酒一とくちふくむほがひかな　　飯田蛇笏　雪見酒（冬）
鰭酒も春待つ月も琥珀色　　水原秋桜子　鰭酒（冬）
ひれ酒に酔うて夜更けてわれはなし　　森川暁水　鰭酒（冬）
羽子板市三日の栄華つくしけり　　水原秋桜子　羽子板市（冬）
雪虫の飛ぶ廟前の木立かな　　河東碧梧桐　雪虫（冬）
雪ばんば飛ぶ阿部川の洲の幾つ　　長谷川かな女　雪婆（冬）
綿虫やむらさき澄める仔牛の眼　　水原秋桜子　綿虫（冬）
鱈洗ふ桶にとまりし烏かな　　野村泊月　鱈（冬）
船去って鱈場の雨の粗く降る　　寺山修司　鱈場（冬）
はこべ挿す模型の小鳥慰めて　　堀口星眠　はこべ（春）
霰聞くやこの身はもとの古柏　　松尾芭蕉　霰（冬）
梅やなぎさぞ若衆かな女かな　　松尾芭蕉
秋十とせ却て江戸を指古郷　　松尾芭蕉（野ざらし紀行）　秋（秋）
正月の凧や子供の手より借り　　百合山羽公　正月の凧（新春）
冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす　　松尾芭蕉（野ざらし紀行）　冬牡丹（冬）
舞ふ雪も華のあきらか寒牡丹　　皆吉爽雨　寒牡丹（冬）
ひうひうと風は空ゆく冬ぼたん　　上島鬼貫　冬牡丹（冬）
積藁の三つある庭や冬牡丹　　河東碧梧桐　冬牡丹（冬）
父の世の如金屏と寒牡丹　　松本たかし　寒牡丹（冬）
ひとり居も馴れゝば楽しかぶら汁　　永井荷風　蕪汁（冬）
あけぼのや霜にかぶなの哀れなる　　杉山杉風　霜（冬）
おく霜の一味付けし蕪かな　　小林一茶　蕪（冬）
襟巻の中からのぞく野の夕日　　前田普羅　襟巻（冬）
道の辺の小さき祠も藤を垂れ　　橋本多佳子　藤（春）
処女みな情濃かれと濃白酒　　松本たかし　白酒（春）
白酒の酔のほのめく薄まぶた　　日野草城　白酒（春）
吾子の眼の即ちたのしお白酒　　中村汀女　白酒（春）
白酒の紐の如くにつがれけり　　高浜虚子　白酒（春）
チゝポゝと鼓打たうよ花月夜　　松本たかし（鷹）　花月夜（春）
心地よや扇投げこむ淵の色　　三浦樗良　扇（夏）
我庵は榎ばかりの落葉哉　　三浦樗良　落葉（冬）
我がためか鶴はみのこす芹の飯　　松尾芭蕉　芹（春）
古寺やほうろく捨るせりの中　　与謝蕪村　芹（春）
水芹に雪ちる山井溢れけり　　飯田蛇笏　水芹（春）
蛭肥えて芹ふし立ちぬ日向水　　久村暁台　芹（春）
我事と鯲のにげし根芹かな　　内藤丈草　根芹（春）
古草の芽や古草の芽なりけり　　石塚友二　古草（春）
古草も妹が垣根に芳しや　　高浜虚子　古草（春）
古草や街裏なれば女走る　　中村草田男　古草（春）
木がらしの身は竹斎に似たるかな　　松尾芭蕉（野ざらし紀行）　木枯（冬）●
今日ばかり花も時雨よ西行忌　　井上井月　西行忌（春）
白炎をひいて流氷帰りけり　　石原八束　流氷（春）
流氷来鴉おろおろ吹きもどる　　角川源義　流氷（春）
草ともに氷流るる野川かな　　釈蝶夢　氷流る（春）
大根の花紫野大徳寺　　高浜虚子　大根の花（春）
大根の花の月夜を牛かへる　　長谷川素逝　大根の花（春）
花大根遊女の塚を並べけり　　松瀬青々　花大根（春）
大根の花の雪白子は育つ　　大野林火　大根の花（春）
上人に一人の客や残る花　　高野素十　残る花（春）
御胸に春の塵とや申すべき　　高浜虚子　春の塵（春）
春の埃空や巷に馬匂ふ　　秋元不死男　春埃（春）
太郎とは男のよき名柏餅　　長谷川櫂　柏餅（夏）
てのひらにのせてくださる柏餅　　後藤夜半　柏餅（夏）
柏餅古葉を出づる白さかな　　渡辺水巴　柏餅（夏）
柏餅の肌ねつとりと漁港曇る　　野澤節子　柏餅（夏）
河骨や終にひらかぬ花盛　　山口素堂（いつを昔）　河骨（夏）
河骨の金鈴ふるふ流れかな　　川端茅舎　河骨（夏）
逢ふもよし逢はぬもをかし若葉雨　　杉田久女　若葉雨（夏）
東海道若葉の雨となりにけり　　正岡子規　若葉雨（夏）
群青に雲刷く朱夏の国大和　　太田鴻村　朱夏（夏）
ふところに川風あふれ夏浅し　　村山古郷　夏浅し（夏）
さかづきを置きぬ冷夏かも知れず　　星野麥丘人　冷夏（夏）
夏寒しねずみ電線喰ひ破り　　沢木欣一　夏寒し（夏）
牛乗せて棹すや皐月の潮来舟　　籾山梓月　皐月（夏）
大寺のうしろ明るき梅雨入かな　　前田普羅　梅雨入（夏）
入梅や蟹かけ歩く大座敷　　小林一茶　入梅（夏）
須磨の舟梅天に何漁るらむ　　阿波野青畝　梅天（夏）
梅雨空のずり落ちてくる馬の尻　　石寒太　梅雨空（夏）
空梅雨の島々を見て船は航く　　高浜虚子　空梅雨（夏）
梅雨寒や口さみしさの飴含み　　鈴木真砂女　梅雨寒（夏）
梅雨冷や坐し静まりし身ほとりに　　星野立子　梅雨冷（夏）
黒南風や高炉火の舌恍惚と　　加藤楸邨　黒南風（夏）
白栄やある夜の雲の霽れぎはに　　原石鼎　白栄（夏）