俳句検索結果(季語付き)



ものいはず客と亭主と白菊と  大島蓼太 白菊(秋)
たましひのしづかにうつる菊見かな  飯田蛇笏 (秋)
黄菊白菊其の外の名はなくもがな  服部嵐雪 (秋)
有る程の菊抛げ入れよ棺の中  夏目漱石 (秋)
駈けくるごと霧の電線びゆんびゆんと  加藤楸邨 (秋)
朝霧や杭打音丁々たり  与謝蕪村 朝霧(秋)
海燕霧の停船夜となりぬ  橋本多佳子 (秋)
灯台は低く霧笛は峙てり  高浜虚子 霧笛(秋)
霧見えて暮るゝはやさよ菊畑  中村汀女 (秋)
霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き  松尾芭蕉 霧時雨(秋)
霧にほひ岩の温泉白くにごりたり  水原秋桜子 (秋)
霧の香や松明捨つる山かづら  加舎白雄 霧の香(秋)
白樺の霧にひびける華厳かな  川端茅舎 (秋)
白樺に霧の宿への道しるべ  水原秋桜子 (秋)
御座舟や霧間もれたる須磨明石  松江重頼 (秋)
霧の火口茫々と影のなきおのれ  山口草堂 (秋)
人発ちし跡すぐ霧の襲ひけり  長谷川零余子 (秋)
霧晴れて川沿ひ霧の寒さかな  河東碧梧桐 (秋)
中天に並ぶ巌あり霧の奥  正岡子規 (秋)
於々峠吐息の霧に富士はなし  池西言水 (秋)
秋霧に河原撫子見ゆるかな  小林一茶 (秋)
霧晴れて高砂の町まのあたり  与謝蕪村 (秋)
稲の青しづかに穂より去りつつあり  篠原梵 (秋)
海にそふ北に山なし稲百里  立花北枝 (秋)
立出でて侍にあふや稲の原  椎本才麿 (秋)
堪へがたし稲穂しづまるゆふぐれは  山口誓子 稲穂(秋)
友が住めるは此の里か稲田ひろびろ  荻原井泉水 稲田(秋)
稲つけて馬が行くなり稲の中  正岡子規 (秋)
一里行けば一里吹くなり稲の風  夏目漱石 (秋)
露草のさかりを消えて夜の雲  高桑闌更 露草(秋)
法師蝉友蝉ゐねばこゑとぎれ  橋本多佳子 法師蝉(秋)
法師蝉しみじみ耳のうしろかな  川端茅舎 法師蝉(秋)
うちまもる母のまろ寝や法師蝉  芝不器男 法師蝉(秋)
今尽きる秋をつくづくほふしかな  小林一茶 つくつく法師(秋)
鳴き立ててつくつく法師死ぬる日ぞ  夏目漱石 つくつく法師(秋)
身にちかくあまりにちかくつくつくぼうし  種田山頭火 つくつく法師(秋)
この旅、果もない旅のつくつくぼうし  種田山頭火 つくつく法師(秋)
雛菓子に足投げ出せる人形たち  杉田久女 雛菓子(春)
病間や桃食ひながら李画く  正岡子規 (秋)
桃青し赤きところの少しあり  高野素十 (秋)
中年や遠くみのれる夜の桃  西東三鬼 (秋)
白桃をよよとすすれば山青き  富安風生 白桃(秋)
白桃の曇るがごとく泣きにけり  加藤楸邨 白桃(秋)
水蜜桃を徒弟が顎にしたたらす  山口誓子 水蜜桃(秋)
蓬莱に聞ばや伊勢の初だより  松尾芭蕉(炭俵) 初便り(新春)
辛崎の松は花より朧にて  松尾芭蕉(野ざらし紀行) (春)
露葎茶色の蝶の飛んで来る  佐藤紅緑 露葎(秋)
白露や死んでゆく日も帯締めて  三橋鷹女 白露(秋)
わがいのちいよよさやけし露日和  日野草城 (秋)
猫と生れ人間と生れ露に歩す  加藤楸邨 (秋)
落ちかかる葉先の露の大いさよ  星野立子 (秋)
ショパン弾き了へたるままの露万朶  中村草田男 (秋)
わかものゝ妻問ひ更けぬ露の村  芝不器男 (秋)
野の露によごれし足を洗ひけり  杉山杉風 (秋)
伏目に読む睫毛幼し露育つ  橋本多佳子 (秋)
露の宿掃き出す塵もなかりけり  富安風生 (秋)
うき島や露に香うつる馬の腹  上島鬼貫 (秋)
露燦と俳諧やくざ恥多し  山口草堂 (秋)
旅人の火を打こぼす秋の露  与謝蕪村 (秋)
傘さして露分行や山法師  高桑闌更 (秋)
今貸した提灯の灯や草の露  高井几董 (秋)
家は皆露の中にて打つ火かな  夏目成美 (秋)
道の辺や露深草の捨車  内藤鳴雪 (秋)
蔓踏んで一山の露動きけり  原石鼎 (秋)
死なば秋露の干ぬ間ぞ面白き  尾崎紅葉 (秋)
此木戸や錠のさゝれて冬の月  宝井其角 冬の月(冬)
こほろぎや犬を埋めし庭の隅  正岡子規 蟋蟀(秋)
消えなんとして仏燈や虫しぐれ  佐藤紅緑 虫時雨(秋)
雨音のかむさりにけり虫の宿  松本たかし (秋)
艸原や提灯行くに虫すだく  小林一茶 (秋)
古御所や虫の飛びつく金屏風  与謝蕪村 (秋)
残る音の虫はおどろくこともなし  中村草田男 (秋)
虫聞くや庭木にとどく影法師  高野素十 (秋)
うらやましおもひ切時猫の戀  越智越人(猿蓑) 猫の恋(春)
青北風や目のさまよへば巌ばかり  岸田稚魚 青北風(秋)
焼酎にゑうてあざける浪高し  森川暁水 焼酎(夏)
嗜まねど温め酒はよき名なり  高浜虚子 温め酒(秋)
髯貯めて友も古りにし温め酒  石塚友二 温め酒(秋)
舌うちし温め酒の名は問はず  後藤夜半 温め酒(秋)
熱燗やふすまあくたびあぐる顏  久保田万太郎 熱燗(冬)
樽仙人熱燗の猪口ふふむ図か  石塚友二 熱燗(冬)
熱燗や雨ぬれ傘を脇に置き  村山古郷 熱燗(冬)
新涼の驚き貌に来りけり  高浜虚子 新涼(秋)
槻風の山ゆ新涼到りけり  大須賀乙字 新涼(秋)
新涼や白きてのひらあしのうら  川端茅舎 新涼(秋)
秋涼し湖の渚に瓜二葉  富安風生 秋涼し(秋)
秋燕に映えつつ朝日まだ見えず  中村草田男 秋燕(秋)
白猫の見れども高き帰燕かな  飯田蛇笏 帰燕(秋)
やがて帰る燕に妻のやさしさよ  山口青邨 燕帰る(秋)
駒につのできねどかへるつばめ哉  松永貞徳 燕帰る(秋)
去ぬ燕ならん幾度も水に触る  細見綾子 去ぬ燕(秋)
馬借りて燕追ひ行くわかれかな  立花北枝 燕帰る(秋)
きのふけふ霞みそめけり春日山  久保より江 (春)
春愁やこの身このまヽ旅ごころ  久保より江 春愁(春)
猫の子もひいなの前に籠ながら  久保より江 猫の子(春)
猫の子の名なしがさきにもらはれし  久保より江 猫の子(春)
宴果ててまかるひとりに薔薇の雨  久保より江 薔薇(夏)
窓あけて猫呼ぶ聲の朧かな  久保より江 (春)
カルタ切れどよき占出でず春の宵  久保より江 春の宵(春)
新しき足袋も足駄も春の泥  久保より江 春泥(春)