月夜にも闇にもなさで吹雪哉 秋の坊 吹雪(冬)夕ぐれや浮世のそらの凧 秋の坊 凧(春)またも見る闇かは花のあかりある 秋の坊 花(春)遠山や蜻蛉つい行つい帰る 秋の坊 蜻蛉(秋)灯火の口のわれたるさむさ哉 秋の坊 寒さ(冬)崩れてもあとが花なり蕗の薹 近藤李東 蕗の薹(春)其夜から雨に逢ひけり巣立鳥 小林一茶 巣立鳥(春)凡そ天下に去来ほどの小さき墓に詣りけり 高浜虚子(五百句)●由公の墓に参るや供連れて 高浜虚子此墓に系図はじまるや拝みけり 高浜虚子去来忌やその為人拝みけり 高浜虚子 去来忌(秋)去来忌や俳諧奉行今は無し 高浜虚子 去来忌(秋)まぶた重き仏を見たり深き春 細見綾子 春深し(春)水涕や鼻の先だけ暮れ残る 芥川龍之介 水洟(冬)生きのびてまた夏日の目にしみる 徳田秋声 夏日(夏)死ぬものと誰も思はず花の春 正岡子規 春(春)下京の窓かぞへけり春の暮 小林一茶 春の暮(春)春の暮家路に遠き人ばかり 与謝蕪村 春の暮(春)積丸太日をため滑ら春の暮 大野林火 春の暮(春)春の暮白き障子を光とし 橋本多佳子 春の暮(春)ふる雨のおのづから春の夕かな 久保田万太郎 春の夕(春)雪つけし飛騨の国見ゆ春の夕 前田普羅 春の夕(春)春夕べ襖に手かけ母来給ふ 石田波郷 春夕べ(春)鐘撞かぬ里は何をか春の暮 松尾芭蕉 春の暮(春)秋に添うて行かばや末は小松川 松尾芭蕉(陸奥鵆) 秋(秋)●たはむれにハンカチ振つて別れけり 星野立子 ハンカチ(夏)いざ竹の秋風聞かむ相国寺 大伴大江丸 竹の秋(春)平林寺門前竹の秋の関 川端茅舎 竹の秋(春)竹の秋道山科に入りにけり 久保田万太郎 竹の秋(春)幹も黄に剛く竹秋はじまれり 大野林火 竹秋(春)竹秋の風立ちさわぐ壺の内 加藤楸邨 竹秋(春)蝶々にねむる日蓮大菩薩 川端茅舎 蝶々(春)指先の傷やきのふの蓬摘み 能村登四郎 蓬摘む(春)つみ草や背に負ふ子も手まさぐり 炭太祇 摘草(春)摘草に浦戸を出でてつれ立ちぬ 高浜虚子 摘草(春)摘草や根岸を出でて田圃道 正岡子規 摘草(春)摘草にくたびれし子の無理をいふ 星野立子 摘草(春)里の子や草摘んで出る狐穴 小林一茶 草摘む(春)過きかてに草摘み居るや小前垂 尾崎紅葉 草摘む(春)粽結ふ片手にはさむ額髪 松尾芭蕉 粽(夏)庭木刈つてみゆる東京タワーの灯 久保田万太郎 剪定(春)春惜しむ宿やあふみの置火燵 与謝蕪村 春惜しむ(春)白髪同士春ををしむもばからしや 小林一茶 春惜しむ(春)雲の中に立ち濡れつゝぞ春惜む 水原秋桜子 春惜しむ(春)惜春の座に一人の狂言師 高野素十 惜春(春)徒に惜春の語を弄しけり 相生垣瓜人 惜春(春)卯の花やたたずむ人の透き通り 堀麦水 卯の花(夏)散るものは散て気楽な卯月哉 正岡子規 卯月(夏)月かげにしのぶや聲のなき蛙 滝澤公雄 蛙(春)水を出て家鴨寄り添ふ暮春かな 安住敦 暮春(春)春暮るる雉子の頬の真紅 福田蓼汀 春暮るる(春)艸の葉も風癖ついて暮の春 小林一茶 暮の春(春)芥火に沈丁焦げぬ暮の春 飯田蛇笏 暮の春(春)いとはるゝ身を恨寝やくれの春 与謝蕪村 暮の春(春)日暮里の岡長うして若葉哉 正岡子規 若葉(夏)朝寒やたのもとひゞく内玄関 正岡子規(散策集) 朝寒(秋)●花火尽きて美人は酒に身投げけむ 高井几董 花火(夏)君が墓筍のびて二三間 正岡子規 筍(夏)けむからんそこのけそこのけきりぎりす 小林一茶 きりぎりす(秋)やよや蝶そこのけそこのけ湯がはねる 小林一茶 蝶(春)甘酒にいま存命の一本箸 伊丹三樹彦 甘酒(夏)あま酒の地獄もちかし箱根山 与謝蕪村 甘酒(夏)甘酒屋打出の浜におろしけり 松瀬青々 甘酒(夏)あまざけや盒に居並ぶ父と母 黒柳召波 甘酒(夏)蚊の声やもち搗内の一夜酒 服部土芳 一夜酒(夏)一夜酒隣の子迄来たりけり 小林一茶 一夜酒(夏)百姓のしぼる油や一夜酒 宝井其角 一夜酒(夏)おくれゆく雑司ヶ谷墓地みどり射す 山田みづえ 緑さす(夏)又ひとつ花につれゆく命かな 上島鬼貫 花(春)咲からに見るからに花のちるからに 上島鬼貫 花(春)この闇の香に花蜜柑咲きしこと 稲畑汀子 花蜜柑(夏)旅一夜蜜柑の花を枕辺に 山口波津女 蜜柑の花(夏)鬱々と蜜柑の花が匂ふならずや 安住敦 蜜柑の花(夏)山窪は蜜柑の花の匂ひ壺 山口誓子 蜜柑の花(夏)花蜜柑絶命の文字石に濃し 野見山朱鳥 花蜜柑(夏)朝よりは宵の香うすき花蜜柑 阿部みどり女 花蜜柑(夏)紫陽花や帷子時の薄淺黄 松尾芭蕉 紫陽花(夏)大いなる泉を控へ酒煮かな 石井露月 酒煮る(夏)小名木川駅春の上潮曇るなり 石田波郷 春(春)煤煙急ぎ雲はしづかに朝焼けぬ 石田波郷 朝焼(夏)御命講や油のような酒五升 松尾芭蕉 御命講(秋)なめくぢり這ひて光るや古具足 服部嵐雪 なめくじり(夏)おちついて死ねそうな草萌ゆる 種田山頭火 草萌(春)●捕虫網ふる子に馴れて牧の馬 富安風生 捕虫網(夏)家に隅ありて捕虫網たてかける 加倉井秋を 捕虫網(夏)しぐるるや人のなさけに涙ぐむ 種田山頭火 時雨るる(冬)行く春を死でしめくくる人ひとり 能村登四郎 行く春(春)思ふこといはぬさまなる海鼠かな 与謝蕪村 海鼠(冬)恋猫のかへる野の星沼の星 橋本多佳子 恋猫(春)むさし野や只一つ家のうかれ猫 小林一茶 うかれ猫(春)猫の妻へついの崩れより通ひけり 松尾芭蕉 猫の妻(春)春の猫東京弁で鳴いてをり 稲畑廣太郎 春の猫(春)子猫われにまかせ親猫涼風裡 大野林火 親猫(春)閑居とはへつつひ猫の居るばかり 阿波野青畝 へつつひ猫(冬)薄目あけ人嫌ひなり炬燵猫 松本たかし 炬燵猫(冬)煌々とせり場を歩くかじけ猫 古舘曹人 かじけ猫(冬)なの花にまぶれて来たり猫の恋 小林一茶 猫の恋(春)山こむる霧の底ひの猫の恋 中村汀女 猫の恋(春)星はみな西へ下りゆく猫の恋 山口誓子 猫の恋(春)しろたへの鞠のごとくに竈猫 飯田蛇笏 竈猫(冬)
俳句検索結果(季語付き)
1 |2 |3 |4 |5 |6 |7 |8 |9 |10 |11 |12 |13 |14 |15 |16 |17 |18 |19 |20 |21 |22 |23 |24 |25 |26 |27 |28 |29 |30 |31 |32 |33 |34 |35 |36 |37 |38 |39 |40 |41 |42 |43 |44 |45 |46 |47 |48 |49 |50 |51 |52 |53 |54 |55 |56 |57 |58 |59 |60 |61 |62 |63 |64 |65 |66 |67 |68 |69 |70 |71 |72 |73 |74 |75 |76 |77 |78 |79 |80 |81 |82 |83 |84 |85 |86 |87 |88 |