季語|半夏生(はんげしょう)

仲夏の季語 半夏生

半夏(はんげ)

半夏生の俳句と季語七十二候の1つ「半夏生(はんげしょうず)」から作られた雑節。かつては夏至から数えて11日目。現在では、天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日で、7月2日頃。
田植えを終える目安となった日で、天から毒気が降ると言われ、農事を休む。この頃に降る「半夏雨」は、大雨になることが多い。

半夏生とは、半夏という薬草が生える頃という意味。半夏とは、カラスビシャクとも呼ばれ、サトイモ科の植物。半夏厚朴湯などの漢方薬となり、神経を安定させる効果や痰きりの効果がある。

【半夏生の俳句】

汲まぬ井を娘のぞくな半夏生  池西言水

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季語|蛇(へび・くちなわ・じゃ)

三夏の季語 

季語と蛇の俳句トカゲと同じ有鱗目に属す爬虫類で、ヘビ亜目に分類される。日本には36種類が生息し、ニホンマムシ・ヤマカガシ・ハブなどの毒蛇や、最大2メートルにもなるアオダイショウ、縦縞が特徴的なシマヘビなどがよく知られている。
蛇は、トカゲから進化したと考えられており、足の痕跡が見られるものもある。ヤコブソン器官という嗅覚を司る器官があり、そこに匂いの粒子を送りこむために、蛇は舌を出し入れする。

冬眠する蛇は、「蛇穴に入る」が秋の季語に、「蛇穴を出づ」が春の季語になっている。冬眠のタイミングは種類によって異なるが、マムシでは、11月頃から3月頃が冬眠期間である。

古事記には、「虵(へみ)」の記述が2か所にある。ひとつは、スサノオがオオクニヌシを蛇の室に入れて試練を与える箇所。もうひとつは、垂仁天皇が、首に錦色の蛇がまとわりつく夢を見たという箇所。これは、反逆の予知夢であった。
さらに日本神話をさかのぼれば、ヤマタノオロチが登場するが、「オロチ」とは大蛇のことである。垂仁記の「本牟智和気の御子」の項には、御子の結婚相手が「虵(をろち)」だったという話が出てくる。
日本書紀(崇神紀)には、奈良の大神神社の御祭神・大物主が小蛇であったことが記されている。それに驚いた妻の倭迹迹日百襲姫命(やまとととびももそひめのみこと)は、箸で陰を突いて死に、箸墓に葬られた。

世界を見ても、創世記のアダムとイブの話に見られるように、古くから重要な場面に登場し、「生と死の象徴」「豊穣の象徴」「神の使い」などとして扱われている。
「蛇」からくる慣用句なども多く「蛇に睨まれた蛙」「蛇行」「蛇足」などがある。

【蛇の俳句】

形而上学二匹の蛇が錆はじむ  鳴戸奈菜

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季語|蝸牛(かたつむり・かたつぶり・かぎゅう・でんでんむし)

三夏の季語 蝸牛

でで虫(ででむし)

蝸牛の俳句と季語陸に棲む巻貝の通称で、「マイマイ」などとも呼ぶ。殻のない種類は「ナメクジ」と呼ぶ。
日本では500以上に及ぶ種類の蝸牛が確認されており、その内で普通に見られるのはミスジマイマイなどである。植物を食して生活しているが、殻を形成するカルシウムを補給するために、湿ったコンクリートに集合する姿なども見られる。

殻の巻き方は遺伝子によって決まる。日本で見られる蝸牛の大部分は右巻き。
雌雄同体のものが大多数。生殖器に恋矢(れんし)と呼ばれるものを持つ種類は、交尾の際にこれを相手に突き刺す。突き刺された相手の寿命は縮む。

フランス料理に使われるエスカルゴは、リンゴマイマイ科に属する蝸牛の一種。日本にも、蝸牛を食べたり薬にしたりする文化があったが、広東住血線虫が寄生していたりなどして、人体に悪影響を及ぼす危険性もあるため、慎重を要する。

「かたつむり」の語源は、「笠」と、巻貝を意味する「つぶり」から来る「かさつぶり」との説がある。
寂蓮法師に

牛の子にふまるな庭のかたつぶり 角ありとても身をなたのみそ

との、過信を戒める歌がある。

【蝸牛の俳句】

足元へいつ来たりしよ蝸牛  小林一茶
かたつぶりけさとも同じあり所  黒柳召波

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季語|梅干(うめぼし)

晩夏の季語 梅干

干梅(ほしうめ)梅漬(うめづけ)

梅干の俳句と季語塩漬けしたのち日干しにしたものを梅干、塩漬けのみのものを梅漬という。
6月頃に熟した梅を塩漬けにして赤紫蘇を加えて色づけした後、「土用干し」したりして出来上がる。赤紫蘇を加えないものを「白干し」などと呼ぶ。

梅干はもともと、梅酢の副産物で、中国起源の漢方薬である。日本では、頭痛への効果から、梅干片をこめかみに貼る「梅干婆さん」が現われた。現在では、防腐効果や疲労回復効果などが広く知られている。

梅干の種は「天神様」と呼ばれるが、これは、梅の花を愛でた天神様こと、菅原道真公に因む。「梅は食うともさね食うな、中に天神寝てござる」と歌われている。種を食すと、漬けても残存することのある毒素が、人体に悪影響を及ぼすことがある。
申年に作った梅干しは、食べると健康長寿になるという伝承がある。
和歌山県は梅の産地で知られるが、特産の南高梅でつくられる梅干は、最高級品として珍重されている。

【梅干の俳句】

梅干して人は日蔭にかくれけり  中村汀女



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季語|虹(にじ)

三夏の季語 

虹の俳句と季語太陽が低い位置にあるほど大きな虹がかかり、夕立の後に素晴らしい虹を見ることが多いために、夏の季語となっている。
1本の虹が見える時、日本では、外側から赤・橙・黄・緑・水・青・紫の7色が数え上げられる。アメリカでは、水色を除く6色を数える。

キリスト教では「神との契約」とされる虹。日本神話では、天地の初めに立った「天の浮橋」を虹と見る説もあり、虹は神々が降りてくる階段ともとらえられた。故に、中世には虹の立った場所に市を立てて商売をしたと言われる。
虹は、和洋を問わず縁起のいいものとされるが、霧の時などに見られる白虹は、日本では兵乱の兆しとされ、縁起が悪いとされた。

万葉集には、詠み人知らずで一首だけ虹の歌があり、原文では「努自(のじ)」と表現されている。

伊香保ろのやさかのゐでに立つ虹の 現はろまでもさ寝をさ寝てば

世界各地に、虹を巨大な蛇と見なす伝承があり、古代中国では虹蜺と言った。虹蜺は二重虹で、内側の主虹は虹(こう)という名の雄、外側の副虹は蜺(げい)という名の雌である。
「にじ」の語源は、海蛇などの蛇を指す「なぎ」にあると考えられている。

【虹の俳句】

寵愛の鳥を殺めし虹の中  寺井谷子

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季語|水馬(あめんぼ・すいば・みずすまし)

三夏の季語 水馬

あめんぼう水すまし(みずすまし)

水馬の俳句と季語カメムシの仲間、半翅目に属す。足先の毛が水を撥くことで、水面に浮かぶことができる。
水蜘蛛・川蜘蛛とも呼ぶ。日本には25種ほどが生息しており、最大のオオアメンボの体長は30mmに迫る。普通に「アメンボ」と言った場合、アメンボ亜科のナミアメンボを指す。これは体長約15mm。

雨後の水たまりによく見られることから、語源は「雨坊」と考えられがちであるが、臭腺から発する飴のような臭いからきた「飴坊」にあると言われる。漢字表記においても「雨坊」は見えないが、「飴坊」「飴棒」は存在する。
古くはミズスマシと呼んだ可能性もあり、ミズスマシと呼ぶ地方が現在も残っている。現代の分類上、ミズスマシと言えば、水面を滑るように泳ぐミズスマシ科の甲虫である。

俳諧歳時記栞草」夏の部に「水馬虫(すゐばむし)」として載っており、漢名は「水黽(すゐばう)」。「今、江戸の方言にアメンボウといふ」とある。

【水馬の俳句】

いつからの一匹なるや水馬  右城暮石

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季語|蠅(はえ)

三夏の季語 

金蠅(きんばえ)青蠅(あおばえ)

蠅の俳句と季語蚊などと同じ双翅目に属す。膜翅目に属する蜂が4枚の翅を持っているのに対し、蠅の翅は2枚。蠅の仲間にもたくさんの種類があり、イエバエ科・クロバエ科・ニクバエ科・ショウジョウバエ科などに分かれている。
ゴキブリとともに、衛生害虫の代表。しかし、チーズバエのようにチーズの発酵に利用したりなど、益虫となっているものもある。

春の蠅・秋の蠅・冬の蠅と、季節ごとに季語になっているが、単に「蠅」と言えば夏。因みに、蠅の幼虫である蛆も夏の季語になっている。

古事記に既に「蠅」が現われるが、スサノオの悪態を描写する項で、邪神の騒々しさを表す言葉として「狭蠅(さばえ)」が出てくるのが初出。その後、天の岩戸の項で、災いを誘発する様を「狭蠅なす」と表現している。日本書紀では「五月蠅」と表記する。
尚、「五月蠅なす」は「騒ぐ」「荒ぶる」にかかる枕詞になっている。
蠅を「はい」とも読むが、語源説のひとつに、蠅の手をする姿を「拝」と見たというものもある。

【蠅の俳句】

やれ打つな蠅が手をすり足をする  小林一茶

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季語|梅雨(つゆ・ばいう)

仲夏の季語 梅雨

黴雨(ばいう)梅の雨(うめのあめ)

梅雨東アジアの雨季。この時期の雨を、旧暦5月の雨という意味で「五月雨」と言って、夏の季語となる。梅雨前線が北上し、日本列島を抜けるまでの約1カ月間、雨が多い天気となる。
気象庁が梅雨入り梅雨明けを発表するが、特定されない年もある。関東での梅雨入りは6月10日頃、梅雨明けは7月20日頃である。
梅雨入り前に、梅雨と同じような雨が降り、「梅雨の走り」などと呼ぶことがある。また、梅雨の期間に比較的長く雨が降らないことがあり、これを「梅雨の中休み」と呼ぶ。梅雨の晴れ間は「梅雨晴れ」という。
年によって雨の降り方に違いがあり、豪雨を伴う「男梅雨」、しとしとと長雨になる「女梅雨」がある。また、雨が降らない「空梅雨」となることも。
梅雨の始まりを「梅雨入り」「入梅」と呼び、現代感覚では春の終わりと捉えるが、立夏が過ぎて1カ月以上を要しての梅雨入りとなることから、暦の上では仲夏にあたる。夏とはいえ「梅雨寒」「梅雨冷」となり、寒さを感じることも多い。

「梅雨」は中国で生まれた言葉で、梅の実が熟す時期の雨という意。しかし、黴が生えやすいから「ばいう」と呼び、同じ発音の「梅」の字を当てて「梅雨」になったという説もある。
日本に「梅雨(ばいう)」の言葉が伝わったのは平安時代だったと考えられており、万葉の時代には「卯の花くたし」と呼んでいたとも言われている。1687年の「日本歳時記」には「此の月淫雨ふるこれをつゆと名づく」とあり、この頃から、「露」から来たと考えられる「つゆ」の呼称が定着したと見られている。

【梅雨の俳句】

目をつむり梅雨降る音のはなれざる  長谷川素逝
一角の明けてありけり梅雨の空  村沢夏風

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季語|五月雨(さみだれ・さつきあめ)

仲夏の季語 五月雨

さみだる

五月雨の季語旧暦5月頃に降る雨のことで、夏の季語となる。梅雨とは、五月雨が降る時期のこと。耕作に関与する接頭語「さ」に、「水垂れ」がくっついて「さみだれ」となった。
万葉集に「五月雨」は掲載されず、古今集あたりから出てくるが、和歌における地位を確立したのは西行か。多くの歌が残されており、

橘のにほふ梢にさみだれて 山ほととぎす聲かをるなり

などは、以降の和歌でもしばしば見られるように、「さ乱る」に掛けて用いられている。

「五月雨式」という言葉があるが、継続してものごとを行うのではなく、断続してものごとを進めるやり方である。

【五月雨の俳句】

五月雨を集めてはやし最上川  松尾芭蕉
五月雨や大河を前に家二軒  与謝蕪村

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季語|梔子の花(くちなしのはな)

仲夏の季語 梔子の花

山梔子の花(さんししのはな・くちなしのはな)

梔子の花の俳句と季語アカネ科クチナシ属の常緑低木。いくつかの種類があり、八重の花を咲かせるヤエクチナシもある。6月から7月頃に白い花をつけて、よく匂う。日本を含む東アジアが原産地で、静岡以西に自生するが、現在では園芸用に栽培されることが多い。

「巵」は、古代中国の盃。梔子の実が、その盃の形に似ていることから「梔子」の字を当てたとされる。
秋に実が熟しても、割れないために「口無し」という名がついたと言われる。そのことを題材にしたものとして、古今和歌集に載る素性法師の

山吹の花色衣主や誰 問へど答へずくちなしにして

がある。また、同じく古今和歌集に詠み人知らずで載る

みみなしの山にくちなしえてしかな おもいの色のした染めにせん

は、耳成山の梔子と詠むことで、誰にも知られないということを暗喩している。
これらの和歌に詠み込まれるように、果実は山吹色の着色料として用いられる。この色を「梔子色」「謂はぬ色」と呼んだ。果実は、漢方薬にもなる。ただし「梔子の実」は、秋の季語である。
春の沈丁花、秋の金木犀と並ぶ三大香木に数え上げられる。その香はジャスミンにも似ることから、イギリスでは「ケープジャスミン」と呼ばれる。

1973年から1974年にかけて、渡哲也の歌う「くちなしの花」が大ヒットした。この曲のヒットとそのネーミングから、日本では寂しげなイメージで語られがちな花であるが、花言葉は「喜びを運ぶ」「優雅」「洗練」。欧米では、プロポーズに女性に捧げる花ともなる。

【梔子の花の俳句】

くちなしの淋しう咲けり水の上  松岡青蘿

▶ 夏の季語になった花 見頃と名所

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